緊迫する印・パ
2002.6.3

2002年6月3日

インド政府
 アタル・ビハリ・パジパイ首相様
パキスタン共和国政府
 ペルベズ・ムシャラフ大統領様

原水爆禁止日本国民会議
議  長 岩松 繁俊
事務局長 福山 真劫

インド・パキスタンの平和運動共同声明を支持し、
対話による解決を要請する書簡

 核兵器を持つインド・パキスタン両国間の緊張状況を世界の人々とともに憂慮し、核戦争の危険を回避するために両国首脳に訴える。

 万が一、核兵器を使えば、両国が5発ずつ使ったという想定で、死者290万人にものぼるという、インド・パキスタン両国の科学者たちによる、広島・長崎の経験をもとにした推定(*)が発表されている。この数字も、武力による解決があってはならない悲劇であることを示している。

 私たち原水爆禁止日本国民会議は、インド・パキスタンの平和を願う人々の下記に添付した共同声明を心より支持し、両国首脳がこの声に耳を傾け、話し合いで紛争を解決するよう要請する。


印パの平和運動の共同声明

(パキスタンのDAWN紙に掲載)

 パキスタンとインドの一般の人々の希望の実現に向けて努力する決意を持った私たちは、両国政府に対し、現在の加熱した雰囲気の中で、自制するよう訴える。全世界が、パキスタンとインドの両国の間に戦争が起こらぬようにと願っている。両国は、戦争などしないで、それぞれの国の大半の国民がおかれている境遇を改善することをめざして、経済の開発を進め、文化を豊かにすることに努めるべきなのである。

現在のところ、誤算や偶発的原因による戦争の脅威は、きわめて深刻である。残念ながら、戦争ヒステリーが両国で意図的に醸成されてきた。理由がどうであれ、ひとたび戦争が起きれば、核戦争に至ってしまう深刻な危険性がある。

私たちは、核兵器を使って戦うに値する大儀などあり得ないと断言する。両国は、好戦的な姿勢をとることによって、自らを袋小路に追い込んでしまっているが、政治的な退却の道を見いださなければならない。正義と正気に照らして、それ以外の選択肢はあり得ない。どちらの国の政府も、相手国に対して、無用な挑発をしたり、侮辱したりすることがあってはならない。核戦争に至ってしまうかもしれないという厳然たる危険性を前にしたいま、両国の軍隊が、平和時の地点にまで同時に撤退することがきわめて重要である。

両国間の基本的な論争について解決することは必要であるが、それには時間がかかる。直ちに必要な前提条件は、通常の状態に戻り、対話を再開することである。対話が必要なのは、政治家同士や官僚同士だけではない。もっと重要なのは、両国の関心を持つ市民の間でのものである。これらの市民は、いつでも望むときに、互いに会って、意思疎通を図ることが必要である。従って、両国の軍隊が同時に撤退するとともに、人々と人々の間の対話や文化的交流を妨げている最近の異常な交通手段の規制を撤廃することがきわめて重要である。それどころか、ビザ体制の緩和によって、これらを奨励すべきである。

私たちは、両国政府に対し、軍隊の撤退を達成し、通常の関係を回復するために、すべての必要な措置を講じるよう求めるとともに、国際社会に対し、このプロセスを支持するよう訴える。両国の政治は、できるだけ、非軍事化しなければならない。両国の政治は、まず第一に、私たちの二つの国の市民の人間的必要と希望を満足させる方向に向けられなければならない。直接的なものであれ、間接的なものであれ、テロリズムを支持してはならない。

私たちは、あらゆる形態のテロリズム−−国境を越えたもの、両国内のもの、個人によるもの、集団あるいは政府によるもの−−に反対する。

私たちは、政教分離、民主主義、正義、そして平和的共存を推進するために努力することを宣言する。


インド側署名(**): Tapan Kumar Bose, Admiral R. Ramdas, Achin Vanaik,
Latha Jishnu, K.S. Subramanian, Joseph Gathia, Syeda Hameed, Prakash Louis,
Vijayan M.J. Ranjana Padhi, Vineeta Bal, Jawed Laiq, Suneeta Madhu Prasad,
Gautam Navlakha, Sagri Chhabra

パキスタン側署名(***): I.A. Rehman, M.B. Naqvi, B.M.Kutty, Dr.
Haroon Ahmed,
Karamat Ali, M. H. Askri, Rahat Saeed, Zaheda Hina, Anis Haroon, Naseem Gandhi,
Shahid Fiaz, Omar Farooq, Saleem Raza, Baseer Naveed, Aqeel
Billgrami, Iqbal Alvi,
Zameer Niazi, Brig. Abid Rao, Dr. Tariq Suhail, Dr. Zaki Hassan,
Tahir Mohammad Khan,
Gul Rehman



* Matthew McKinzie, Zia Mian, A.H. Nayyar, M.V. Ramana らによる [Out of the Nuclear Shadow, Smitu Kothari and Zia Mian, eds.(Lokayan, rainbow Press, and Zed Books) 2001]
** R. Ramdasは、インドの「核軍縮と平和のための連合(CNDP)」の代表
*** M.B. Naqviは、パキスタンの「パキスタン平和連合(PPC)」の代表