核情報

2008. 1.27

米印協定問題、鹿児島県の半数近くの自治体が意見書採択

米印原子力協定に関する自治体議会の意見書が続々と採択されている鹿児島県では、昨年12月議会で新たに6自治体(3市3町)が意見書を採択し、これで、意見書採択自治体数は、総数47の半数に近い22(10市12町)となりました。12月には三重県議会でも意見書が採択され、採択済みの全国の自治体の数は、確認できているだけで27に達しました。協定の実施に必要な保障措置(査察)協定についての国際原子力機関(IAEA)とインドの交渉が、2月始めにも終わるかと報じられているなかで、各地の2月議会での動きが注目されます。協定をめぐる最新の状況を簡単にまとめました。

米印原子力協力協定の発効に必要なプロセス。

  1. インドの一部の原子力施設に関する国際原子力機関(IAEA)との間の保障措置協定の締結。現在、交渉最終段階。
  2. IAEA理事会での保障措置協定の承認
  3. 原子力供給国グループ(NSG)のガイドラインの変更
    (NSGのガイドラインは、NPT上の「非核兵器国」への核関連輸出に際して、同国の原子力施設すべてを対象とする包括的保障措置協定がIAEAとの間に結ばれていることを条件としている。ガイドラインの変更には、日本を含む参加国45ヶ国すべてによるコンセンサスが必要。)
  4. 米国議会の承認
    (インドでは議会の承認は条件として法的に定められていないが、閣外協力の左派政党が米国のジュニアパートナーになるべきでないとの観点から協定に反対しており、保障措置協定が締結されたとしても、それを左派政党が受け入れるかどうか、反対の場合にシン政権がそれを無視できるかどうか不明。)

最近の状況

1月7−8日
「インドとの原子力協力再開の提案を正せ」と要求する書簡(23カ国の核問題の専門家ら130以上の個人と団体が署名)がNSG参加国に送られる。
1月15日
豪労働党政権スミス外相、インドのサラン特使に、インドへの豪ウラン輸出解禁の決定を撤回と伝える。前政権は、昨年、NPT非加盟国へのウラン輸出を禁止する同国の方針を変更していた。オーストラリアがNSGでどのような立場をとるかは不明。
1月15日
シン首相、中国は恐らく協定の発効に反対しないだろうと述べる。だが、NSGで協定を支持するとの確約を中国から得たわけではないと説明。
1月15日
米国の「軍備管理協会(ACA)」、「憂慮する科学者同盟(UCS)」、ピースアクションなど23団体、「原子力貿易に関する責任のためのコーリション」旗揚げ。
1月17日
ロシアが、NSGの規則の変更がなくても、インド南部のクダンクラムで新たに4基の原子炉を建設する契約を結ぶ用意があると明らかにしたとアジアンエイジ紙が報じる。ロシアは、2002年から建設中のクダンクラム原子力発電所(2基)に関する元々の協定は1988年に結ばれたものであり、1992年の決められたNSGのガイドラインの影響を受けず、新たな4基の建設も1988年の協定の一環となるから同ガイドラインの変更を必要としないと主張。
参考:Russia: Nuclear Exports to India: Reactors
1月25日
仏印首脳会談共同声明(英文)、両国の民生用原子力協力協定の交渉妥結妥結と発表。協定はNSGでのガイドライン変更を待って調印予定。
参考:サルコジ大統領ヒンドゥスタン・タイムズ・インタビュー 2008年1月25日

参考資料

NSG参加国

アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本、カザフスタン、韓国、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、英国、米国

2007年意見書採択自治体


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