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2005年10月31日

原子力空母の横須賀母港化

 米海軍は10月27日(日本時間28日)、日米両政府の合意に基づき、空母キティホークの後継艦としてニミッツ級の原子力空母を、2008年に横須賀へ配備することを発表した。これは、世界で唯一の米海軍空母の米国外の母港を1973年から継続させると同時に、軍事機能を強化し、さらに、30万KW級の原発に相当する原子炉を抱える原子力空母が、年間半分以上東京湾に浮かぶ事態となり、人口が密集する首都圏に核災害の危険性をおよぼすことになる。

 このような発表に対し、原水禁は以下の声明をだした。


原子力空母の横須賀母港化に対する声明

 米海軍は10月27日(日本時間28日)、日米両政府の合意に基づき、空母キティホークの後継艦としてニミッツ級の原子力空母を、2008年に横須賀へ配備することを発表した。

 今回の発表は、米軍再編成の中間報告をめぐる日米協議の中では一切出されることなく、米軍の独断専行のような形で発表されたが、このことを日本政府は全く知らなかったはずはないといわれている。このことは、この間沖縄の普天間基地の辺野古への移設など米軍の再編成の日米合意が、地元住民や自治体の意向を無視して政府が頭越しに進めてきたことと同じように、地元住民や自治体の意向をまったく無視した形で合意したものである。

 これまで神奈川県知事や横須賀市長が原子力空母の配備に再三反対し続け、政府に要請し、横須賀市議会も全会一致で「原子力空母の配備に強く反対する」との決議を採択している。また、地元の市民団体「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」や「原子力空母の横須賀母港化を許さない全国連絡会」では34万を超える反対署名を集め、市、県、政府に要請をしてきた。そのような地元住民の声を無視し、強硬に原子力空母配備を求めてくることは日米両政府のおごりであり、この決定に私たちは強く抗議をする。

 原子力空母の横須賀配備は、海上交通の往来が激しい東京湾を原子力艦船が出入港することでの事故の危険性が高いことが懸念される。また横須賀母港化によって1年の半分以上を人口密集地をかかえる東京湾に原子炉が浮かぶことになる。後継艦の原子力の出力は、30万KW級の原発と同程度といわれ、その原子炉は、日本の法規制から除外されている。日本の原子力安全委員会の安全審査も受けず、軍事機密の中にある原子炉がもたらすものは、事故への不安と米軍への不信しかない。現にシーファー駐日大使は、「(事故は)絶対に起こらないとは言えない」と述べているように、首都圏の市民は原子炉事故のリスクを背負わされようとしている。

 原子力空母の横須賀母港化によりアジアや中東への侵略戦争の米軍の出撃基地としての機能が強化されるだけでなく、世界で唯一の空母の在外母港という異常な体制を固定化すると同時に、周辺住民に放射能の恐怖をまき散らすものである。

 私たちは、反戦平和の立場からも、また原子力の危険性からも今回の原子力空母の横須賀母港化に断固反対するものであり、地元住民や「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」、「原子力空母の横須賀母港化を許さない全国連絡会」などと連携し、原子力空母の母港化阻止に向けた運動を引き続き進めるものである。

 2005年10月31日

フォーラム平和・人権・環境
原水爆禁止日本国民会議
議長 岩松 繁俊


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