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2006年10月18日

高レベル放射性廃棄物処分場誘致に関する申し入れ

 10月17日、原水禁と原子力資料情報室は共同で、原子力発電環境整備機構(理事長・伏見健司)に対して、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致が、この間、高知県津野町や東洋町、滋賀県の余呉町で動きがでてきていることを受けて、以下の申し入れを行いました。

 原子力発電環境整備機構からは総務や広報が対応し、本当に短い時間ではありましたが幾つかの点で質疑応答をしました。

その中で、(1) 誘致に向けて進めている地域については、一切公表できない。(2) 文献調査など何をもって受けつけるのか、「その基準は何か」、「周辺自治体の反対はどうなのか」などを質すと、周辺自治体の「意見は尊重」するし、県知事が反対の場合は「進めない」(止めるではない)という。しかし概要調査は県知事の同意が必要ですが、文献調査には、県知事の同意は必要ないが、それでも知事が反対でも文献調査を受け付けるのかは、明確にはしませんでした。(3) 安全性や技術問題などについては、公開の討論会に出ることはできる、とのことでした。しかし、政策的議論や他の選択肢(他の技術的な処分方法)などのことについては、答える範囲を超えるのでできないとのこと。根本的な議論は無理のようです。短く不十分な議論でしたが、国民的な議論や透明性を持った推進など、まだまだ不十分な点が見えました。

 さらに、担当で出てきた人たちは、皆、電力会社からの出向で、何年かしたならば今の仕事離れる人々であろう。責任をどれほど持って進めているのだろうか。ここでも誰も責任を負わないシステムで原子力が進められているような気がしました。

2006年10月17日
原子力発電環境整備機構
理事長 伏見 健司 様

高レベル放射性廃棄物処分場誘致に関する申し入れ

高レベル放射性廃棄物処分場の誘致に関して現在、高知県津野町や東洋町、滋賀県の余呉町などから誘致の声があがっています。しかし、地元住民をはじめ、周辺自治体や県が反対の声や難色を示しています。このことは水面下で一部の人間としか進めてこなかったことの現れで、地域住民への合意形成はまったくなされていません。地域住民にとっては突然降って湧いたような動きであり、地域の人々に混乱と不安をもたらしています。さらにこのような国民的課題に対する国民的合意形成も全くなされていないのが現実です。地域的議論や国民的議論もなされないまま、まさに見切り発車で、地域住民の理解もないまま強引に進められています。

特に今回の動きは、自治体の財政難につけ込み、来年度には文献調査実施に伴う交付金が2.1億円から10億円に増額されることで誘発された動きともいえます。交付金を目当ての誘致に手をあげさせています。国策とはいいながら誘致する地域は交付金などの見返りがなければ絶対に誘致などに動くことはありません。まさに「金」によって成り立つ高レベル放射性廃棄物処分政策で、大きな問題です。

今回、声をあげている津野町は、四万十川の源流であり、余呉町は琵琶湖に隣接するなど、地域の住民の水源地にあたるところです。東洋町も海に隣接するなど、ひとたび汚染が進めば、周辺環境に大きな影響を与えるものです。

さらに、高レベル放射性廃棄物処分技術に関しても、地震国日本の地質の中で、強い放射能を超長期に渡って安全かつ完全に管理する技術が開発されたとは決していえず、まだまだ調査・

研究の段階でしかないと私たちは考えます。さらに、現在の地下利用の観点で、将来に渡る地下開発を規定してしまうこと、さらに技術や情報を長い年月に渡り伝える手段の問題などまだまだ超えなければならないハードルは沢山あります。それらを含め国民的合意もない中で進められる高レベル放射性廃棄物処分場の誘致を進めることは、後の世代に膨大な放射能というツケをもたらす動きでしかありません。

私たちは、これ以上の水面下で進められる誘致に対して、地域住民に混乱と不安をもたらすものとして、さらに国民的な合意もないままに進められる貴機構の動きに対して断固抗議するものです。現在進めている動きを国民の前にまず明らかにし、透明で公正な議論をまず提起することを強く求めます。

原子力資料情報室
共同代表 西尾 漠
原水爆禁止日本国民会議
議長 岩松 繁俊


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