2006年12月18日
坂本龍一さん、森村誠一さんらによる六ヶ所再処理工場を動かさないアピール
12月14日、東京と青森で坂本龍一さん、森村誠一さんら作家、芸術家、有識者など124名が賛同する「六ヶ所再処理工場を動かさない共同アピール」を発表しました。これは、2007年8月に本格稼働を掲げている青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の稼働中止を求めたもので、「六ヶ所再処理工場の運転をただちに止めることこそ、将来の平和を保証し、子どもたちを守ることなのです。」と訴えています。
この共同アピールには、先の二人の他にも音楽家の大貫妙子さん、作家の鎌田慧さん、森詠さん、小児科医の毛利子来さんら多数が賛同しています。発表当日は、賛同者の映画監督の土本典昭さん、講談師の神田香織さん、埼玉大学名誉教授で遺伝学の市川定夫さんらが会見し、再処理工場になぜ反対するのかを話しました。
六ヶ所再処理工場は、06年3月末に「アクティブ試験」に入り、現在、第二ステップを終了しましたが、その間使用済み燃料の処理(PWR109体・49.8トン、BWR57体・10トン)と大量の放射能の放出を始めています。この試験の間にも、機器のトラブルや被曝事故が続発し、今後も大きな事故が心配されています。
多大のコストを費やし、環境の放射能汚染や人の被曝、猛毒プルトニウムを生み出し、そのプルトニウムの使い道さえ不確かな再処理は、有害無益であり、即刻中止すべきです。今後も数多くの各界の方々の賛同を求めていきます。
共同アピール
私たちは、六ヶ所再処理工場を動かさないよう訴えます。いま、青森県六ケ所村で、
使用済み核燃料「再処理工場」の試運転が行なわれています。これは、原子力発電所で燃された後の核燃料を硝酸の液に溶かし、燃え残りのウランとプルトニウムを、高レベル放射性廃棄物と分けて取り出す工場です。すでに試運転を実施中で、来年八月には本格操業に入る計画とされています。
放射能のリサイクルはごめんです。
再処理工場は、ウランとプルトニウムを回収して、ふたたび発電に利用する「リサイクル」のためのものといわれています。とはいえ、プルトニウムをつかった発電(プルサーマル)は、ふつうの原子力発電よりさらに危険です。このため、反対の声が大きく、未だに実現していません。ウランについては、本格的な利用の計画すらありません。
それでも再処理をやめずに、使いみちのないプルトニウムをつくり出せば、「日本は核武装をするつもりか」と疑いの目でみられ、また、核開発をめざす国が再処理を行なう口実に「日本もやっているのだから」とつかわれることにもなります。
使えないものをつくる必要はないのです。
再処理工場が一日動くと、原子力発電所一年分の放射能が出るといわれています。ふだんから地域を汚染し、いったん大事故が発生すれば、地球規模の被害をもたらします。
この再処理工場の総事業費は、一二兆円にものぼると試算されています。いま運転を中止すれば、三分の一くらいですむでしょう。それでもたいへんな額ですが、危険なことは一刻も早くやめるのが賢明というものです。
事業をつづければ、さらに巨額の費用がかかり、働く人を被曝させ、地域を放射能で汚し、大事故ばかりか核拡散の危険をつくり、将来に禍根を残します。
六ヶ所再処理工場の運転をただちに止めることこそ、将来の平和を保証し、子どもたちを守ることなのです。
2006年12月
六ヶ所再処理工場を動かさないアピール連名者
(肩書は原則としてご本人によります。)
- 青木孝充(音楽家)
- 天笠啓祐(ジャーナリスト)
- 鮎川ゆりか(WWFジャパン、気候変動グループ長)
- 飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
- 池内了(総合研究大学院大学教授)
- 石川文洋(報道カメラマン)
- 石田雄(政治学研究者)
- 石橋克彦(神戸大学都市安全研究センター)
- 石牟礼道子(作家)
- 市川定夫(埼玉大学名誉教授)
- 伊藤成彦(中央大学名誉教授)
- 井野博満(金属材料研究者)
- 今井一(ジャーナリスト)
- 今村修(原水爆禁止青森県民会議代表)
- 色平哲郎(佐久総合病院内科医)
- 岩松繁俊(原水爆禁止日本国民会議議長/長崎大学名誉教授)
- 上野千鶴子(社会学者)
- 宇沢弘文(経済学者)
- 梅林宏道(ピースデポ代表)
- 大貫妙子(音楽家)
- 岡田幹治(フリーライター)
- 奥平康弘(憲法学者/東京大学名誉教授)
- 小田実(作家)
- Oto(音楽活動家)
- 小野有五(北海道大学地球環境科学研究院教授)
- 小原秀雄(日本環境会議代表理事)
- 勝俣誠(明治学院大学教授)
- 加藤幸子(作家)
- 加納美紀代(敬和学園大学教員)
- 鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)
- 鎌田慧(ルポライター)
- 川崎哲(ピースボート共同代表)
- 神田香織(講談師)
- 櫛渕万里(ピースボート事務局長)
- 桑原茂一(フリーペーパー・ディクショナリー編集長)
- 小出昭一郎(東京大学名誉教授)
- 小出裕章(京都大学原子炉実験所助手)
- 河野直践(茨城大学教員)
- 小中陽太郎(日本ペンクラブ)
- 小林直樹(憲法学者/東京大学名誉教授)
- 小室等(ミュージシャン)
- 斎藤次郎(教育評論家)
- 斎藤千代(あごら事務局)
- サエキけんぞう(作詞家/プロデューサー)
- 坂本龍一(音楽家)
- 佐高信(評論家)
- 椎名和夫(音楽家)
- 志賀理江子(写真家)
- shing02(音楽家)
- 信藤三雄(アートディレクター/映画監督)
- 新藤宗幸(千葉大学教授)
- 杉浦克昭(ピーコ・ファッション評論家)
- 杉浦孝昭(おすぎ・映画評論家)
- 祐真朋樹(スタイリスト/写真家)
- 鈴木茂(編集者)
- 須田春海(市民活動全国センター)
- 高杉晋吾(ドキュメント作家)
- 高橋健太郎(音楽家/音楽評論家)
- 瀧本幹也(写真家)
- 田島征三(画家)
- 田中三彦(著述業)
- 田中優(未来バンク代表)
- 谷崎テトラ(構成作家/音楽家)
- 月本裕(作家)
- 辻信一(明治学院大学教授/ナマケモノ倶楽部世話人)
- 土本典昭(記録映画作家)
- 常石敬一(神奈川大学教員)
- 戸田清(長崎大学環境科学部助教授)
- 富山洋子(日本消費者連盟代表運営委員)
- 豊崎博光(フォトジャーナリスト)
- 中尾ハジメ(京都精華大学教員)
- 中川李枝子(作家)
- 中地重晴(環境監視研究所)
- 中村敦夫(俳優/作家)
- 西健一(ゲームクリエーター/ディレクター)
- 西尾漠(原子力資料情報室共同代表)
- 野田知佑(カヌーイスト/作家)
- 橋本勝(風刺マンガ家)
- 羽田澄子(記録映画作家)
- 早坂暁(脚本家)
- 林光(音楽家)
- 林洋子(クラムボンの会)
- ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
- 伴英幸(原子力資料情報室共同代表)
- 樋口健二(フォトジャーナリスト)
- 筆宝康之(立正大学教授)
- 飛矢崎雅也(日本政治思想史研究)
- 広河隆一(デイズジャパン編集長/フォトジャーナリスト)
- 広瀬隆(文筆業)
- 福山真劫(原水爆禁止日本国民会議事務局長)
- 藤井絢子(滋賀県環境生活協同組合理事長)
- 藤田祐幸(慶応大学教員)
- 藤原英司(エルザ自然保護の会会長)
- 保木本一郎(国学院大学教授)
- 星川淳(グリーンピース・ジャパン事務局長)
- 星崎いつき(フリーライター)
- 星野芳郎(技術評論家)
- 細川弘明(京都精華大学環境社会学科教授)
- 前田哲男(ジャーナリスト)
- 松崎早苗(環境と健康リサーチ)
- 松武秀樹(音楽家)
- 三浦光世(三浦綾子記念文学館館長)
- 水口憲哉(東京海洋大学名誉教授)
- 宮内泰介(北海道大学教員)
- 村田光平(東海学園大学教授)
- 室田武(同志社大学大学院経済研究科教授)
- 毛利子来(小児科医)
- 本尾良(非核・みらいをともに!)
- 百瀬敏昭(環境ジャーナリスト/東海大学講師)
- 森詠(作家)
- もりばやしみほ(音楽家/環境医療風水師)
- 森村誠一(著述業)
- 矢口敦子(著述業)
- 山内敏弘(龍谷大学教授)
- 山口幸夫(原子力資料情報室共同代表)
- 山崎朋子(女性史ノンフィクション作家)
- 山田真(小児科医)
- 湯川れい子(音楽評論家/作詞家)
- 吉田ルイ子(フォトジャーナリスト)
- 吉原悠博(美術家)
- 吉村栄一(フリー編集者)
- 米田知子(写真家)
- 綿貫礼子(サイエンスライター)
- Watusi(音楽プロデューサー)
【メッセージ】
- 北朝鮮の核実験をみてもいま地球は核拡散への道をつき進んでいます。
すべての核兵器保有国が核軍縮し、また兵器につらなる核燃料の再処理をとめるよう訴えます。
小中陽太郎(日本ペンクラブ)- 何か応援ではなく、自分で出来ることも模索したいと思いますが……
須田春海(市民活動全国センター)- 放射能を海に棄てないでください。
水口憲哉(東京海洋大学名誉教授)- 日本での本格的再処理が許されるなら、北朝鮮の核実験など批判できないことになるので、アピールに賛同します。
室田武(同志社大学大学院経済研究科教授)- これ以上、地球を汚してもらいたくない。そう願っています。
森詠(作家)- 再処理工場には欺瞞があります。核被曝(害)国の日本は放射能リサイクルにはどんなに慎重にしても慎重すぎることはありません。
森村誠一(著述業)
