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Gensuikin

2007年02月23日

東電のデータ改ざん・虚偽報告に抗議

2006年11月、東京電力(東電)の発電所内における不正工事が発覚したことをきっかけに、東電管内の原子力、火力、水力発電所における数々の不正やデータ改ざんが明るみになり、現在社内の実態調査が進められています。2002年に原発を全て停止して総点検する事態に東電を追い込んだ、データ改ざん事件から5年しか経たずして、東電は変わらない不正体質を露呈しています。原水禁は、東電の原発立地県である新潟、福島両県や市民団体の代表者と共に、2月21日、東京電力へ申し入れを行いました。

申し入れに対応した東電広報部の課長らは冒頭、一連の新たに発覚したデータ改ざんについて謝罪の意を述べましたが、東電の無責任体質に変わりは無いことは、その後のやり取りの中で明らかです。福島や新潟からは、度々繰り返される安全性に関わる意図的、かつ重大なデータ改ざんに対する地元の怒りは限界に達しており、信頼は「地に落ちている」(東電側)現状が報告されました。こうした状況があるにも関わらず、広報部の答弁は「報告書が出るまではお答えできない」に終始し、地元の人々が抱える日々の生活における不安などへの意識の低さが見えます。2時間にわたる交渉は、報告書が発表される3月の後に継続して持たれることを確認して終わりました。


東京電力株式会社
 取締役社長 勝俣 恒久 様

東京電力のデータ改ざん・虚偽報告に強く抗議する

発電所のデータの改ざんや、電力会社から国、県への虚偽報告が相次いで発覚した。その数24項、199回に及び、貴社の福島原発や柏崎刈羽原発などでも見つかっている。

元になる数値が信用できないのでは、原発をはじめとする電力事業そのものの信頼性が崩壊してしまう。原発をめぐる安全性の議論そのものが成り立たなくなり、どれを信じていいのかわからなくなる。安全管理態勢や企業としてのコンプライアンスのどこに問題があるか、貴社に徹底的に洗い直し、再発を絶対させないことを強く求める。

 今回特に、東京電力の柏崎刈羽原発1号機では、緊急炉心冷却装置(ECCS)のポンプが故障していることを隠し、あたかも正常に動くかのような偽装をして国の定期検査に合格させていた。ECCSは事故時に炉心を緊急に冷やすため最も重要な安全装置の要である。今回の不正は、重大なごまかしでその責任は重く、貴社の安全軽視の姿勢は許すことはできない。

 さらに福島第一原発1号機では、2002年に発覚した一連のトラブル隠しで1年間の運転停止処分を受けながら、今回の「再犯」では、これまで何をしていたのか、貴社や保安院の調査がいかにいいかげんかを明らかにした。住民や国見への裏切りともいえるうそ・ごまかしの1号機の設置許可は返上されるべきである。

 「問題とされた点は既に改善され、運転や安全性に支障はない」、と貴社は説明するものの、不正があった事実を許すことはできない。住民の安全を軽視する行為であり、強く抗議する。

 一連の問題は、うそ・ごまかしの体質が電力業界全体を覆っていることを示している。このような隠ぺい体質は、もんじゅ事故や2002年にシュラウドなどのひび割れ隠ぺい工作などの不祥事により17機の全原発が運転停止となった事故隠しの反省を何ら教訓としていない。一度大事故が起これば、取り返しのつかいない核被害を与える巨大なシステムだけに、問題を初期の段階で見つけ、手を打つのが原則である。その原則から逸脱した今回の事件は、業界体質の負の部分の徹底的な切開と一掃が強く求められることを示している。住民の多くは、原発の安全性を考えるとき、電力会社や国の説明・データに頼らざるを得ないだけに、そこに不正が入り込む貴社のこれまでの行為は強く指弾されるものである。

 それらを踏まえ、私たちは以下の点を申し入れる。

  1. データ改ざん、ねつ造を続けてきた安全無視、情報隠し、法令違反、企業倫理の欠如の組織体質の欠陥をただし、トップリーダー等経営陣の責任と対応を明確にすること。
  2. 全原発を停止して、データ不正の有無について総点検を行うこと。特に「再犯」の福島第1原発1号機の設置許可返上をすること。
  3. 規則を含めたマニュアルについても詳細点検を行い、全ての項目に関して、再調査結果を明らかにすること。
  4. 「改ざん行為は、重視すべき品質保証上の大問題」と位置づけ、「安全上影響を与えず、ルール違反でない」、「生活の知恵」などとする不遜な態度を改めること。
  5. 改ざん、ねつ造の動機を明らかにし、関係者の責任を明確にすること。
  6. 今回の調査で、今後一切のデータ改ざん等の不正がないことを宣言すること。

以上

2007年2月21日

原水爆禁止新潟県協議会
理事長 中川 良一
福島県平和フォーラム
代表 浦井 信義
原水爆禁止日本国民会議
議長 岩松 繁俊
(公印省略)