2007年04月25日
全国委員会開催、新議長就任
原水爆禁止日本国民会議第82回全国委員会が開催され、故森瀧市郎議長のあと、97年から10年間、原水禁議長をつとめられた岩松繁俊さんが退任、新議長に市川定夫さんが選出されました。就任あいさつを掲載します。
また、記念して「岩松繁俊発言録ー核廃絶とアジアへの日本の加害責任を訴えつづけて」を出版しました。
原水爆禁止日本国民会議 議長就任挨拶
市川定夫
私は、広島で原爆被爆された森滝初代議長と、そのあとを継がれた長崎で原爆被爆された岩松議長を、ともに尊敬し続けてまいりました。そうしたお二方の後継者として、原爆被爆の直接体験のない私が、三代目議長に指名されましたことに、極めて大きな恐縮を痛感しております。原爆被爆を受けていない私に、お二人のような原爆被爆経験者としてのリーダーシップが取れるのかどうか、不安を感じておりますのが私の正直な心境であります。
しかし、原水禁のさまざまな活動を停止することがとうてい許されない現状では、残された人のだれかがその務めを引き継がなくてはなりません。私は、数日間、考え通しておりましたが、原爆被爆を直接体験してはいませんが、学部学生のころから放射線影響の実験を始め、京大、アメリカのブルックヘブン国立研、再び京大、その間メキシコ国立チャビンゴ農科大学院、その後埼玉大と、半世紀も放射線影響の研究を主題としてきました私には、原爆の直接被爆者に代わってこの任務を引き継ぐ使命があると決意するに至りました。そして、その翌日、原水禁本部に出向きまして、事務局長に議長就任受託をお伝えしたのです。
申し上げるまでもなく、私には、亡くなられた森滝元議長や、岩松前議長のような豊富な原水禁活動の体験がありません。しかし、こうして議長就任を決意しました以上は、私が長年の研究・教育の主題として続けてまいりました、放射線・放射能の生物学的・遺伝学的影響の重大さおよび深刻さと、私が定年退職前の十数年間に最大の焦点を向けました、放射線とさまざまな人工化合物との相乗効果など、私が発見・証明することができましたあらゆる知見をフルに活用しまして、原水禁運動の新たな力としたいと思っております。
私たちは、長年の間、原子力にしろ、化学技術にせよ、バイオテクノロジーにせよ、宇宙技術にせよ、科学技術の「発達と発展」が人類の未来を保証しているとの錯覚を植え付けられ続けてきました。人間が原子力によって大量に産出している、自然界には存在しなかった危険な人工放射性核種、化学技術によって次々と産出されています、やはり自然界には存在しなかった多種多様な危険な人工化合物、さらに人工放射性核種と人工化合物の間で特に顕著に見られる相乗効果など、現在の科学技術の「発達と発展」というのは、実は根本的な錯誤であったことが、近年になるほど明白になっているのです。自然界には存在しなかった、つまりあらゆる生物がかつて遭遇したことがない、つまりそうしたものに適応のすべを知らない多様な人工のものが、どうして私たち人類や他の多種多様な生物に繁栄をもたらしうるのでしょうか。私たちは、長年にわたって、科学技術の「発達と発展」という、誤った「宗教」を信じ、誤った道を辿ることを強要されていたのです。
以上のような私の観点を皆さんにご披露いたしまして、私の議長就任のご挨拶といたしたいと思います。
市川定夫 新議長 プロフィール
- 1935年12月生
- 1963年3月 京都大学大学院農学研究科農林生物学専攻博士課程単位修得
- 1965年8月 米国ブルックヘブン国立研究所研究員
- 1972年8月 メキシコ国立チャピンゴ農科大学大学院客員教授
- 1979年1月 埼玉大学理学部教授(同上)
- 1981年4月 埼玉大学大学院理学研究科修士課程担当
- 1995年3月 原水爆禁止日本国民会議副議長
- 2001年3月 埼玉大学定年退官 4月埼玉大学名誉教授
