2008年05月25日
原発被曝訴訟の長尾さんに不当判決
5月23日、福島第一原発で作業中の被曝で多発性骨髄腫を発症し東京電力に損害賠償を求めた、長尾さんの東京地裁判決が出ました。きわめて異例ずくめの政治的とも言える判決です。
地裁は因果関係を認めず請求を棄却しましたが、その論拠が不可解。多発性骨髄腫と診断され、厚労省も2004年1月、労働災害として認定しました。白血病以外では初めてのことです。一方、今回地裁は多発性骨髄腫の診断要件として、複数ある骨病変で形質細胞のクローナルな増加として認められたものが、実際の組織検査をした昨年10月のものだけだったことで、認められないなどとしています。患者の負担を考えて当然の結果しか出ない組織検査の回数を控えたのは医療として当たり前のことでしょう。長尾さんは昨年十二月に、判決を聞くこと無く亡くなられました。
被害者の保護を図るため、故意・過失が無くとも賠償責任を負わせる無過失責任主義を採用した原賠法の趣旨からも、すみやかに損害を賠償するべきもので、今回の判決は到底理解し難い不当判決と言わざるを得ません。
- 長尾裁判から見えた市民科学の意義
- 東京電力を告発する長尾原発労災裁判
- 長尾裁判 : 不当判決:長尾裁判判決要旨
【判決要旨PDF】 - 福島第1原発被ばく訴訟:「被ばくでがん」認めず 毎日新聞
- 東電原発被ばく訴訟 元作業員の賠償請求棄却 読売新聞

