原水禁ホームへ  
Gensuikinヒバク

2008年06月02日

原爆症認定訴訟、高裁控訴審判決について

原爆症認定訴訟の控訴審で、5月28日の仙台高裁判決・勝訴に続き、5月30日には大阪高裁でも全員の不認定処分取り消しを命じた1審判決を支持し、国の控訴を棄却しました。これで集団訴訟関連の裁判は、06年5月の大阪地裁判決以降、全て国側の8連続敗訴となりました。国側の頑なな被爆者への対応に対して、司法の判断が続いています。

今回の大阪高裁の判決では、この4月から実施された新基準が示す5つの疾病以外にも、貧血、白内障などを患う被爆者にも救済の手を差し伸べました。原爆症認定に対しては「被爆の状況から発症の経緯、健康状態までを全体的・総合的に把握し、個別に判定すべきだ」として、新基準の基でも被爆者認定が不十分だとする司法判断が下されたものです。国は真摯にこれを受け止め、上告を断念し、現行の基準の抜本的改正を行うべきものです。

2008年6月2日
日本労働組総連合会
原水爆禁止日本国民会議
核兵器禁止平和建設国民会議

原爆症認定訴訟、仙台・大阪高裁 控訴審判決についての3団体アピール

  1. 5月30日、大阪高等裁判所は、原爆症認定訴訟控訴審において、被爆者9人(内3人死亡)全員の不認定処分取り消しを命じた1審・大阪地裁判決を支持し、国の控訴を棄却した。これは、高裁段階で初の判決だった28日の仙台高裁判決での被爆者全員(2人)勝訴に続くものであり、集団訴訟では2006年5月の大阪地裁判決以降、国の8連続敗訴となった。
  2. 原爆症認定訴訟では、原爆症認定を受ける要件とされている (1)被爆と疾病の関連を判断する「放射線起因性」と、(2)現に治療の必要性を判断する「要医療性」について争われているが、大阪高裁では特に「放射線起因性」を、仙台高裁では「要医療性」がそれぞれ最大の争点となった。
  3. 大阪高裁では、4月から運用開始された新認定基準における放射線起因性が推認される5疾病(がん、白血病、副甲状腺機能亢進症、放射線白内障、放射線に起因する心筋梗塞)から外れた「甲状腺機能低下症」や「脳梗塞後遺症」などを発症した原告5人も原爆症と認定した。
    また、「要医療性」を争った仙台高裁は、胃ガン手術後の「後遺症」や膀胱ガン治療後における「再発の可能性による定期検査」なども、国が認めなかった「要医療性」として認める判決を下した。
  4. 現在、集団認定訴訟は全国6高裁、15地裁で行われている中、国は原告305人の内、3分の1を新基準運用から2ヶ月で原爆症と認めてきたが、控訴審判決は、国の認定基準を緩和しながら一方で、原告に対する厳しく譲らない姿勢を厳しく批判したものとなった。
    国は控訴審判決を真摯に受け止め、今次裁判の上告を断念するとともに、他の控訴審での控訴も取り下げ、認定基準の再改定を直ちに行うべきである。
  5. 連合・原水禁・核禁会議は、原告、関係者のご努力に敬意を表し、被爆者援護施策の強化とともに、世界の核兵器廃絶をめざし、力を合わせて取り組むことを決意しアピールとする。

以上