東海村でJCOが臨界事故を起こしてから6周年をむかえる9月30日を前に、25日、茨城県水戸市で全国から400人が参加して集会を開催した。吉岡斉さん(九州大学・科学史)が記念講演、新たな「原子力政策大綱」を決める原子力委員会の新計画策定会議に自から関わってきた経験から「大綱」の中身を「原子党宣言」と呼ぶ批判を展開。
六ヶ所再処理工場の稼働を目前にする青森、もんじゅの再稼働問題と美浜原発での原子力災害を想定して行なわれる国民保護実働訓練を控える福井等からの現地報告に続き、JCO事故後の東海村の動向報告、この秋にむけて様々な行動提起、さらに集会アピールを採択した。その後、会場「びよんど」隣の水戸芸術館前から水戸駅まで市の中心部をデモ行進した。
NPT再検討会議後も、さらに外務省との交渉を続けていますが、国連第一委員会に向けて軍備管理軍縮課と意見交換を行なった時の要望書を紹介します
2005年9月29日
外務大臣 町村信孝 様
原水爆禁止日本国民会議
事務局長 福山真劫
日本外交のための日頃のご努力に敬意を表します。
さて、今年5月の核不拡散防止条約(NPT)再検討会議の結果は残念なものとなりました。また9月14日〜16日の特別首脳会談の最終文書において、草案から核軍縮に関わる文言が大幅に削除されたことに大きな失望を感じます。このような状況から来る10月の国連第一委員会(軍縮、安全保障関連)に向けて、私たちは以下を強く要望します。
9月14日〜16日の特別首脳会談の草案文書において米国・ボルトン大使が、包括的核実験禁止条約(CTBT)、核兵器用核分裂性物質生産禁止条(FMCT)、消極的安全保障、非核地帯、さらに核軍縮・核不拡散・核の平和利用というNPTの3本柱に至るまで核軍縮にかかわる文言を徹底的に削除要求したと伝わっています。
世界に未だ約30,000発の核兵器が存在する現在、今年5月のNPT会議に続く米国のこのような核軍縮義務に逆行する態度に対して、日本政府は被爆国として、米国に核軍縮義務を国際交渉の場で宣言する必要性と、さらに核軍縮を促進すべきことを強く訴えるべきです。
米国防総省は、大量破壊兵器による攻撃を阻止するため、核兵器の先制使用を認めるよう核兵器使用の基本政策を見直す報告書草案をまとめたと伝えられています(毎日新聞 9月12日)。9月19日に終了した第4回六か国協議での成果として、米国による朝鮮半島で核兵器を持たず北朝鮮への攻撃や侵入の意図がないことが確認されましたが、引き続き、上記報告書草案のような核兵器の先制使用を認めるような政策が取られることがあってはならず、予断が許されません。
日本政府は、非核兵器国に対する核兵器国の核の先制不使用を約束する、消極的安全保証の法制度化を、特に米国政府に促し、国際社会で率先して進めるべきです。核攻撃を受けないという相互の保証があってこそ、世界の核不拡散が保証されると考えます。
9月19日に終了した第4回六ケ国協議の成果として、北朝鮮が一切の核兵器と核計画を放棄し、NPTに復帰することなどが約束されました。
この機会を活かし、10月の国連第一委員会では、日本政府が率先して北朝鮮・韓国・日本を中心とした、東北アジア非核兵器地帯についてイニシアティブをとって提言するべきです。また、包括的核実験禁止条約(CTBT)発効に向けた努力もこれまでに継続して、特に米国に対し強く要請していただきたいと考えます。核兵器を持たない・核実験を行わないという相互の約束があってこそ地域の安全が保証され、世界の核廃絶につながります。これに向けた日本政府の積極的なイニシアテイブが必須です。
以上
9月19日に採択された共同声明は、「朝鮮半島の検証可能な非核化」の目標の再確認と、朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮と略)が「すべての核兵器と現存する核プログラムの放棄」を約束し、同時に米国が北朝鮮に対し攻撃や侵略をする意図のないことも保証した内容となった。「核の放棄」には、早い時期にNPT(核拡散防止条約)や IAEA(国際原子力機関)の保障措置に復帰することも含まれている。6カ国協議開催以来、初めての合意文書だ。
これは、北朝鮮の核廃棄への第1歩であり、米国もその単独行動主義と北朝鮮敵視政策から譲歩し、歓迎すべき進展となった。東北アジア非核化への道筋の足がかりとなるような朝鮮半島の恒久的平和体制に関する協議や地域安全保障への協力も示され、6カ国協議の枠組みがさらに発展する可能性もある。
査察や検証の具体的過程が決められていないなどまだ難問は山積みだが、11月からの第5回6カ国協議をはじめ、粘り強い交渉を続ける必要がある。
核の平和利用については、北朝鮮がその権利を主張し、5カ国はその発言を尊重するとしている。共同声明には、軽水炉提供の可能性も盛られており、それが重要な論争点となっている。この問題の根源には、NPTのもとで認められた核の平和利用が核開発の抜け穴になっている事がある。この点を考慮するならば、米国は今年の再検討会議で見せたようなNPT軽視の姿勢を改め、国際社会と共に 核不拡散・核軍縮の本道に戻るべきだろう。
平和外交の上で日本のとるべき道は、東北アジアにおける核拡散問題をさらに複雑にする核兵器利用可能物質プルトニウムの生産・蓄積をやめることが第一だ。核不拡散の新たな国際的枠組みとして提案されている再処理・ウラン濃縮のモラトリアムに積極的に取り組むべきだ。北朝鮮に透明性のある行動を求めるためには自ら明解な核政策を示す必要がある。
すでにプルトニウムを40トン以上保有する日本では、「核燃料サイクル政策についての中間取りまとめ」などの国際的に通用しない論議で、経済性のない核燃料サイクル政策の維持を盛り込んだ「原子力政策大綱」を原子力委員会が決定しようとしている。12月に予定される六ヶ所再処理工場の「アクティブ試験」という実質的稼働によるプルトニウム生産の強行は、東北アジア地域に脅威と不安定をもたらすものである。国際的に明解な核政策を示して、東北アジア非核化への次の一歩を積極的に進めることが、いま求められている。