核拡散防止条約(NPT)体制を根本からゆるがす米印原子力協力協定の実施へさらにステップが進みました。インドと国際原子力機関(IAEA)は、11月21日、米印原子力協力協定の実施に必要な保障措置(査察)協定について交渉を開始することで合意しました。この交渉で一気に米印協定実施への道が開ける可能性があります。各地の12月議会では、このような動きを阻止するための意見書を提出する最後のチャンスになるかもしれません。
原水禁の川野浩一副議長は、5日からイランを訪問、エブテカール前副大統領が代表のNGOが主催するセミナーで講演、反戦・反核を訴えました。テヘラン市内の高校で話しをしたり、テヘラン市長に長崎市長からの親書を手渡すなどの交流を通じて、核開発計画で揺れるイランで核兵器反対をアピールしました。(報告)
「戦争及び武力紛争の環境にもたらす結果セミナー」は国連総会決議(56/4)で定められた11月6日の「戦争と武力紛争における環境破壊防止のための国際デー」を期して開催されたもので、昨年に続き2回目。環境庁長官でもあるエブテカールさんは、UNEPの地球大賞を受賞しています(2006)。
川野さんは5歳の時に爆心地から約3.1キロの地点で被爆した体験や、放射線ヒバクによる後遺症の実態を説明。セミナー会場での写真展、エブテカールさんや近く開館予定の平和ミュージアムへの資料寄贈の際や、テレビ局のインタビューでもヒバクシャへの関心が高く、写真に注目が集まりました。
主催…平和と環境のためのセンター(代表・エブテカール前副大統領兼環境庁長官)に出席、スピーチ及びレセプション、会場でミニ写真展。他国の出席者(イラン、シリア、スーダン、ベトナム、クロアチア、イラク、オーストラリア、オーストリア、パレスチナ、クエート他)。
日本大使館への表敬訪問、城田安紀夫特命全権大使及び八幡登美雄公使参事官と1時間ほど意見交換。
イラン国営テレビジョンの取材…在イラン日本大使館の金田氏の仲介で私たちのホテルで行われた。国営テレビの話によると国営テレビの役割は2つある。1つは国民に情報を配信すること、もう1つは大統領及び側近に直接政策提言を含め情報を配信することだそうです。「川野さんはIAEAの査察と濃縮ウランの製造について話をされているが(そんな話はした記憶はないが)改めて詳しく伺いたい」から始まり、最後は「大統領、及び側近に提言を」となり、1時間に及ぶ取材を受ける。
IAEA査察…「イランが核兵器はつくらない、平和利用に徹するというなら査察を拒むべきではない。洗いざらい情報を提供し、世界各国の信頼を得るべきである。」
濃縮ウラン…「この問題に関しては必ずしも各国の理解を得られているとは思わない。今どうして濃縮ウランが必要なのか? 将来の問題だとするなら、今急ぐ必要はない。」
国連決議…「確かに国連がアメリカ寄りであることは否定しないが、アメリカと闘うとするなら、日本を含め国際世論を勝ち取らなければ闘えない。制裁を課せられないよう誠意を持って対応すべきだ。」
21時20分テヘラン発ドバイ経由で関西空港へ
ビザの発給が遅れ最後までドタバタしましたが、出発したものの、テヘランに着くまでホテルが決まっておらず、また、写真展の準備も同様、セミナーで話し始めると、途中で時間を切られる。初日はどうなることかと思いましたが、大使館の金田さんの「ここはイランです…」で焦らないことにしました。写真(ポスター)は特にマスコミには効果的でした。各国みんな写真の前でインタビューしていました。マスコミの皆さんは日本の被爆者に関心が強く、到るところにテレビカメラが来ていました。テヘラン市長は次期大統領候補と目される人です。彼と談笑できたことに大使館の金田さんは驚いていました。市長の対応は後の昼食会の準備を見ても、いかに我々の訪問を重視していたかがわかります。国営テレビの取材が極めつけでした。大統領に政策の進言とは驚きました。ウラン濃縮とか国連決議などそんなことには、どこでも触れていないつもりでしたが…。情報が一人歩きしたようです。NGO代表のエブテカールさんは前副大統領です。日本からわざわざ来たこともあり、ずいぶん気を遣われ、ご配慮いただきました。
在イラン日本大使館、特に金田さんには本当にお世話になりました。今回のイラン訪問が成功に終わったのは大使館をはじめ、エブテカールさんなど大勢の方々によるご協力の賜物と感謝致します。