2009年03月19日

原爆症認定広島第2次集団訴訟判決で初の国家賠償認定

 広島地裁で3月18日、原爆症認定集団訴訟の広島第2次訴訟の判決が言い渡されました。国に対して、注意義務を怠り、3人の原告に対し誤った認定審査の却下を行ったとして、計99万円の支払いを命じるものでした。「厚生労働大臣の行為は違法である」という判断がなされたのです。

 原爆症認定集団訴訟において、国家賠償が認められたのは初めてという画期的な判決となりました。厚生労働大臣は、認定審査会の審査をただ追従して判断するのではなく、問題点をみつけて是正を促すべきであるとして、行政の不作為をはっきりと認定するものになっています。賠償を受ける側は、法的にはすぐにでも仮執行を求めることが可能な立場にあり、今回の司法判断は大変に重いものです。12日の東京高裁判決に続いて、国は15連敗となりました。認定行政の見直しはもう避けられません。

 東京では、衆議院第二議員会館で15時から、広島地裁判決報告集会が開催され、各地の原告団や超党派の国会議員、支援者らが参加、弁護団による判決の報告に耳を傾けました。

2009年3月19日

原爆症認定広島第2次集団訴訟 広島地裁判決に関するアピール

原水爆禁止日本国民会議

  1. 3月18日、広島地方裁判所は、広島・山口在住の被爆者が、原爆症認定を求めた広島第2次訴訟で、原告5人の認定申請却下を取り消す判断を下し、国は「職務上の注意義務を尽くすことなく漫然と認定申請を却下した」として、うち3人に対し、計99万円を支払うよう命じる判決を言い渡しました。これによって国は、一連の集団訴訟において、15連敗を重ねる結果となりました。
  2. 今回の判決が、これまでの判決と流れを異にするのは、初めて国家賠償が認められた点にあります。これまでの司法判断は、原告の訴えを認めながら、国家賠償請求は棄却することによって、国に対し自発的な対応を促すものだったとも解釈できました。しかし、判決の重みを無視し、不当にも控訴、上告を繰り返す国の姿勢に、司法もついに怒りの判断を下したといえるものです。
  3. 厚生労働大臣は、認定審査会の基準をただ追従して判断するのではなく、国が審査にあたる分科会に再検討を促し、自ら資料収集して適正な判断をするべきであったと指摘しています。その指摘に基づき、原告5人への認定申請却下は注意義務違反にあたるとして、厚生労働大臣の行為は違法であるとはっきり認定する判決となっています。
  4. 国は、今回の判決を重く受け止め、控訴は行わないこととともに、一連の訴訟の全面解決と、不十分な「新しい審査基準」を始めとする認定行政の見直しを行うべきです。
    原水爆禁止日本国民会議は、原告や多くの関係者のご努力に敬意を表するとともに、被爆者援護の充実と、核廃絶とともに、再びヒバクシャをつくり出さない世界の実現に取り組むことを決意し、アピールとします。

以上

Posted by kano at 17:17

2009年03月17日

原爆症認定千葉訴訟高裁判決─厚労省前座り込み

勝訴を喜ぶ被爆者と支援者ら

flickrサイト勝訴を喜ぶ被爆者と支援者ら

東京高裁で12日、原爆症認定申請の却下は不当として処分の取消しと損害賠償を求めた千葉県在住4人の「原爆症認定集団千葉訴訟」控訴審判決で、一審判決を支持し国側の控訴を棄却する判決が下されました。

また、これを受けて16日から、国と厚生労働省に上告しないよう求めて、座り込み行動を始めました。厚労省前には、原告団を中心に支援者らが集まり、上告断念と集団訴訟の全面解決を訴え、チラシ配布なども行いました。

集会で判決の報告をする弁護団

flickrサイト集会で判決の報告をする弁護団

今回の控訴審判決は、放射線の影響による肝機能障害について、その影響があるとする一審判決を支持しました。国が昨年4月から適用している「新しい審査基準」についても、認定されていない心臓疾患などの病名も挙げて準じて考えられるとし、基準に不備があることを指摘、高く評価できます。

国側は、原爆症認定集団訴訟で14連敗、この結果を国は真摯に受け止めるべきです。

判決後、衆議院第2議員会館で、報告集会が開催、支援者らが会場の定員を上回って訪れ、国の上告断念と全ての被爆者救済、全面解決を求めました。

座り込み行動は、国に対し、今回の判決を尊重し、解決するよう求めるもので、最後は厚労省へ向かってシュプレヒコールを行いました。11時45分から13時を利用して、土日と祝日を除き27日まで続けられます。

Posted by kano at 13:50

2009年03月04日

被災55周年ビキニ・デー全国集会

被災55周年3・1ビキニ・デー全国集会

flickrサイト被災55周年3・1ビキニ・デー全国集会

2日、全国から静岡市勤労者総合会館に約300人が集まり、原水禁、東海ブロック、静岡県民会議で構成される全国集会実行委員会主催で、被災55周年3・1ビキニ・デー全国集会を開催しました。

挨拶する川野浩一原水禁副議長

flickrサイト挨拶する川野浩一原水禁副議長

原水禁の川野浩一副議長と静岡県平和・国民運動センター鈴井孝雄会長のあいさつにつづき、石橋克彦神戸大学名誉教授が「原発震災—東海地震と浜岡原発」と題して講演を行いました。東海地震の危険を指摘し、浜岡原発が建っている状態を「地雷原の上で盆踊りを踊っているようなものだ」と表現しながら説明しました。

石橋克彦さん

flickrサイト講演する石橋克彦さん

韓国より来日中の光州民主化闘争団からの特別報告に続いて、新潟原水禁の中村進事務局長、青森県平和労組会議の米沼一夫事務局長からの報告が行われ、集会参加者で、被災55周年ビキニ・デー集会アピールを採択しました。

光州民主化闘争団からの特別報告

flickrサイト光州民主化闘争団からの特別報告

3日、焼津弘徳院で行われた久保山愛吉さん墓前祭は雨が降る中、静岡市からバスで向かった集会参加者と地元からの参加含めて30人ほどで行われました。尚、地元主催の墓前祭はこれに先立って1日に行なわれました。

久保山愛吉さん墓前祭

flickrサイト久保山愛吉さん墓前祭




被災55周年ビキニデー アピール

 1954年3月1日、アメリカは太平洋中西部のマーシャル諸島・ビキニ環礁で、広島型原爆の約1000倍に当たる15メガトンの水爆実験(ブラボー実験)を行い、大量の死の灰をまき散らし、第五福竜丸をはじめ多くの漁船が被災し、第五福竜丸の久保山愛吉さんが「原水爆の被害者は私を最後に」と言葉を残し亡くなりました。さらにマーシャルの島々でも多くのヒバクシャを生み出されました。55年経ったビキニも、原爆投下から63年経ったヒロシマ・ナガサキでも、いまなお多くの人々が放射能の被害で苦しみつづけ、悲劇は続いていることを忘れてはなりません。

 いまも世界には約2万1千発もの核兵器が存在し、核兵器の使用と核拡散の危険も存在し、いまだ核と戦争の脅威から私たちは解き放たれていません。核兵器は、米・ロ・英・仏・中の5ヵ国からインドやパキスタン、イスラエルへと拡がり、朝鮮民主主義人民共和国の核実験やイランの核開発疑惑など核の拡散の動きも止まっていません。また、核兵器に転用できる核物質も、原子力の「平和利用」の中で増え続け、拡散しているのが現状です。

しかし核大国アメリカでは、オバマ新政権の登場により、「核兵器のない平和な世界を追求すべき時が来た」とし、2010年のNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議での大幅な核軍縮推進やCTBT(包括的核実験禁止条約)の批准、カットオフ条約の容認などを打ち出しています。また、アメリカの核軍縮の機運を支える動きも、かっての保守派の指導層の中からも出ることによってオバマの政策を後押ししています。今後アメリカが核軍縮の流れに乗ることを強く期待します。

 一方、日本の自公政権は、積極的にアメリカの戦争政策を支え続け、「核の傘」も含めアメリカの核・軍事の戦略体制に一層強く組み込まれ続けています。特に米軍再編を軸に、ミサイル防衛や原子力空母の横須賀母港化などが押し進められ、インド洋のへの海上自衛隊の給油艦の派遣やソマリアへの自衛隊の派遣などが進められています。さらに核問題においては、六ヶ所再処理工場やもんじゅの事故による停止はプルトニウム利用政策の破綻を示していますが、いまだ強引に政策推進をはかろうとしています。これらは東アジアに新たな緊張をつくりだすものです。

このような平和や命に対する脅威が進行する中で、あらためてビキニ水爆被災の意味と今後の反核・平和を求める私たちの運動のあり方が問われています。

 核兵器を頂点とする武力で平和は作れないことを私たちは再度確認し、対話と連帯の中で平和と安全が生みだされることを確認しましょう。その上で、これまで原水爆禁止運動が取り組み、成果を上げてきた核兵器廃絶、ヒバクシャ援護、脱原発などの課題を新たな決意で前進させなければなりません。

 私たちは、ヒロシマ・ナガサキから連綿と続いた核被害から「核と人類は共存できない」ことを学びました。そのことをいま、反戦・反核・平和の課題とともに内外に発信していくことがますます重要になっています。これは広島・長崎、ビキニ、JCO臨界事故でのヒバク体験を持つヒバク国の市民としての責務です。ビキニのヒバクシャをはじめ世界中のあらゆるヒバクシャや平和を求める人々と連帯し、あらゆる国の、あらゆる核実験・核兵器に反対し、そしてヒバクシャを生み出す全ての核開発を止めていきましょう。

2009年3月2日

被災55周年3・1ビキニ・デー全国集会

Posted by kano at 20:11