2010年04月20日

「核兵器廃絶1000万署名」を首相に提出

核兵器廃絶1000万署名提出

flickrサイト4月16日首相に6,660,569筆の署名を提出

4月16日、首相官邸において原水禁・連合・核禁会議3団体の代表は、鳩山由紀夫首相に対し、「核兵器廃絶1000万署名」で集めた6,660,569筆の署名を提出しました。
(前段の9日には、NPT再検討会議の実効ある合意形成に向けた中央集会を行っています。)

3団体を代表して、古賀伸明連合会長が、来る5月から始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、被爆国日本の政府として核兵器廃絶に向けた積極的な姿勢を示すことを要請しました。鳩山首相は「核兵器を減らしていく努力を世界的にしていかなければならない。NPT再検討会議でも主張していく」と述べました。なお、この署名の一部は、目録とともに国連へ持参し、5月3日の総会の場で議長に手渡す予定です。(写真左から、古賀連合会長、藤本泰成原水禁事務局長、鳩山首相、松井孝治官房副長官)

2010年4月16日

内閣総理大臣
鳩山 由紀夫 様

日本労働組合総連合会
会長  古賀 伸明
原水爆禁止日本国民会議
議長  川野 浩一
核兵器禁止平和建設国民会議
議長  丸尾 直美

要請書

核兵器廃絶に向けた政府のご努力に深く敬意を表します。

さて、私ども連合、原水禁、核禁会議の3団体は、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に向けて今日まで国内外で様々な活動を続けてきました。

1945年8月6日と9日、広島と長崎に原爆が投下されて両市あわせて21万人以上の尊い命が犠牲となりました。また、被爆された方々は国の内外で今なお原爆症で苦しめられています。現在、世界中には約2万1千発の核兵器が存在しているといわれています。人類と核兵器は決して共存できません。被爆65年の今年、改めてノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキを世界に発信し、核兵器廃絶を訴えることは被爆国の責務といえます。

とりわけ5月3日からはニューヨークの国連本部でNPT再検討会議が開催されます。3団体からも代表団70名をニューヨーク市へ派遣します。この再検討会議は、核兵器をなくすための重要な国際会議です。私たちは被爆国民の訴えをこの再検討会議に届けるために、核兵器廃絶に向けた全国的な署名活動を取り組んできました。署名の趣旨は別紙の通りです。政府におかれましては、この寄せられた国民の声をぜひとも各国政府とりわけ核兵器保有国に届けていただきたく、ここに申請申し上げます。

なお、この署名の目録を3団体の代表が潘基文国連事務総長宛に提出いたします。

以上

Posted by kano at 17:40

2010年04月13日

4・9反核燃の日全国集会に全国から1200人

六ヶ所村役場前でのシュプレヒコール

flickrサイト六ヶ所村役場前でのシュプレヒコール

4月10日、25回目となる「反核燃の日全国集会」が、原水禁をはじめ再処理とめよう!青森県実行委員会など4団体の主催で青森市内の青い森公園で、全国から1200名が集まり開催されました。

青い森公園での集会

flickrサイト青い森公園での集会

集会では、主催者を代表して藤岡一昭原水禁副事務局長が挨拶に立ち、「もしこのまま10月本格稼働に強引につき進めば、大事故や大災害が発生しないとも限らない。絶対に稼働させてはならない」と訴えました。さらに地元青森からも「当初7600億円で完成させる予定が既に2兆2000億円もかかり、17回も完成時期が延期されいまだ完成していない」欠陥施設であること、「新たな活断層も指摘され再処理工場は危険である」ことなどが訴えられました。

市内デモ

flickrサイト市内デモ

各地からは、再稼働を前にした「もんじゅ」を取り巻く状況が福井から報告されました。また女川原発のプルサーマル計画の動きについて宮城の仲間から報告がありました。集会は、集会アピールを採択し、青森市内を「六ヶ所再処理工場の稼働反対」と訴えながらデモをしました。

その後、青森市市民文化会館で「全国交流集会」が300名の参加で開かれました。集会では、原子力資料情報室共同代表の西尾漠さんから「破綻するプルトニウム利用政策」と題して、再処理・もんじゅ・プルサーマルの現状とそれぞれの将来展望がまったくないことが明らかにされました。結局、再処理をしてもムダで危険なだけでしかないということでした。各地からは、幌延、大間、女川、福島、柏崎刈羽、もんじゅ(福井)、と報告がありました。中でも、大間原発の建設に対して、今年、集団訴訟を起こし、そのための原告・支援者への参加呼びかけがありました。各地の闘いと再処理を結びつけ、プルトニウム利用路線の破綻をさらに明らかにしていくことが確認されました。

六ヶ所再処理工場前集会

flickrサイト六ヶ所再処理工場前集会

翌日(4月11日)は、六ヶ所村の再処理工場正門前での抗議集会(約250名参加)を行い、村内をデモしました。

六ヶ所再処理工場正門から

flickrサイト六ヶ所再処理工場正門から

六ヶ所再処理工場前集会(梅ちゃんと種市さん)

flickrサイト六ヶ所再処理工場前集会で

IMGP0072.JPG

flickrサイト六ヶ所村内デモ

六ヶ所村役場前でのシュプレヒコール

flickrサイト六ヶ所村役場前でのシュプレヒコール


なお、「反核燃の日全国集会」の前日(4月9日)、日本原燃及び青森県に対して申し入れを行いました。日本原燃は、担当者が不在(本当?)を理由として、話を聞き置くだけに終始し、企業としての説明責任を一切はたそうとしませんでした。青森県は、行政として県民の安全・安心のために事業者に対して積極的に関わるべきところ、積極的に何ひとつ自ら動こうという姿勢がみられませんでした。常に受け身で、これでは県自ら安全を確保しようとする姿勢が欠けているようでした。まさに業者のいいなり、といったところでした。




第25回「4・9 反核燃の日全国集会」アピール

1985年4月9日、当時の北村知事が青森県議会全員協議会において、六ヶ所核燃三点セットの受入れを表明してから四半世紀が経過したが、当時の判断が拙速で間違いだったことを核燃施設の現状が示している。

原子力推進側による県民説明では、どの施設も先行例があり順調に操業されるとされたが、ウラン濃縮工場は濃縮率が極度に低下して最新型の導入に切り替え、低レベル放射性廃棄物の埋設施設は、地中への埋設管理が遅れ周辺環境に放射線を撒き散らしている。

日本の核燃料サイクル政策の要と言われた再処理工場は、アクティブ試験段階で既に放射能を環境中に放出し、高レベルガラス固化工程でつまずき、竣工時期をこれまで17回も延期し、今年10月に予定されている竣工もさらに延期される可能性が高い。

当初、県民に説明がなかった海外返還高レベル廃棄物一時貯蔵施設は、フランスからの返還を終え3月から新たにイギリスからの返還が始まったが、最終処分場が決まらないまま六ヶ所に留め置かれることも懸念される。

しかし、核燃施設はこれからも増設される可能性が高い。政府や電気事業連合会は、海外再処理の過程で生じた低レベル放射性廃棄物や、高ベーター・ガンマ廃棄物も六ヶ所再処理施設に集中管理させようとしている。また、再処理工場から抽出したMOX燃料を加工する「MOX加工工場」が建設されれば、関連施設が集中することは明らかであり、当初の核燃三点セットは十点セットになる可能性が高く、そこから発生する核のゴミの集中管理を余儀なくされる。やがて青森県に「核のゴミ」が集中し、MOX燃料が原発に搬出され、核テロ対策上の危険地帯となる。そんな青森県にすることは、未来の子どもたちの命を奪うことになり、絶対に容認できることではない。

しかも、最近になって分かってきたことは、再処理工場周辺に「六ヶ所断層」の存在が指摘されていること、東通原発・大間原発・むつ中間貯蔵施設のいずれも活断層の近くに位置し、地震時には甚大な被害を受けることが指摘されている。このような危険地帯に建つ原子力施設は即刻停止・建設中止すべきである。

六ヶ所再処理工場試運転中止と一切の運転を直ちに停止させることこそ、子どもたちの未来を守ることであることを、私たち第25回「4・9反核燃の日」全国集会参加者一同はここに宣言いたします。

2010年4月10日

第25回「4・9反核燃の日」全国集会 参加者一同




2010年4月11日

日本原燃株式会社
社長 川井 吉彦 殿

抗議文

 私たちは昨日、青い森公園において、第25回「4.9反核燃の日」全国集会を開催した。1985年4月9日、故北村知事が青森県議会全員協議会において、青森県民の不安をよそに、六ヶ所核燃三点セットの受け入れを表明した。その屈辱の日を忘れぬために、毎年抗議の集会を開催し、25回目を数えた。

 北村知事は、核燃施設を受け入れる理由を、農工両全と言ったが、あれから4半世紀を迎え、知事の判断が拙速で間違いだったことを、核燃施設の現状が示している。

本来は核のゴミ捨て場に過ぎない核燃施設を、ウラン濃縮工場や再処理工場で、エネルギー生産工場のように見せかけようとしたが、どちらも失敗している。そして、現状は核のゴミ捨て場でしかない。しかも、新たな海外返還低レベル放射性廃棄物までも、本県に押し寄せようとしているが、

核燃料税を期待する三村知事は、これを受け入れるかどうかの検討を始めてしまった。

核燃施設が導入される際に、他見に先んじて青森県までの新幹線導入が図られると期待した向きもあるが、今年の年末まで延期された。今も新幹線導入の経済効果を期待する向きも多いが、核燃施設や原子力施設で事故が起これば、下北半島はおろか、青森県への集客が期待できない。そして、農水産物への打撃も大きく、両者は共存できるはずがない。

しかも、日本原燃(株)内では、作業員の被曝トラブルが多く発生しており、安全管理の面で多くの不安を抱えている。その上に、再処理施設内に長年放置された核のゴミが見つかるなど、原子力安全・保安院の検査がおざなりであることも判明したばかりである。

いま、再処理工場内では、高レベルガラス溶融炉の不調修復作業を行っているが、再処理工場は無用の長物であり、今後とも操業をする必要はない。

以上のことから、核燃施設を原子力技術と安全管理技術の不足のままに推進してきた貴職に対して講義するとともに、再処理工場のアクティブ試験にかかる作業の一切を中止し、即刻再処理工場を閉鎖することを断固として求める。

第25回 4・9反核燃の日全国集会現地日本原燃前抗議行動参加者一同




2010年4月9日

青森県知事 三村 申吾 様

原水爆禁止日本国民会議
議長 川野 浩一
原子力資料情報室
共同代表 西尾 漠
社会民主党青森県連合
代表 渡辺 英彦
青森県平和推進労働組合会議
議長 江良  實
原水爆禁止青森県民会議
代表 今村 修

六ヶ所再処理工場の本格稼働を止め、
青森県を放射能汚染から守る申し入れ

1985年4月9日、当時の北村知事は青森県議会全員協議会において、青森県民の不安をよそに、六ヶ所核燃三点セットの受け入れを表明しました。あれから4半世紀を迎え、北村知事の判断が拙速で間違いだったことを、核燃施設の現状が示しています。

原子力推進者らによる県民説明会では、どの施設も先行例があり、順調に操業できるとされましたが、これまでの操業状況を見ると決して順調とは言えない状況にあります。ウラン濃縮工場は濃縮率が極度に低下し、最新型の導入をしていますが、劣化ウラン等の処理に問題を残しています。また、低レベル放射性廃棄物の埋設施設は、地中への埋設管理が遅れ、周辺環境に放射線を撒き散らしています。当初県民に説明されなかった海外返還高レベル廃棄物一時貯蔵施設は、フランスからの返還分貯蔵を終え、イギリス分が3月に始まりましたが、県外最終処分場が決まらず、現在地に溜め置かれる不安があります。日本の核燃サイクル政策の要と言われる再処理工場は、アクティブ試験段階で既に放射能を環境中に放出し、高レベルガラス固化工程で躓き、17回目を数える今年10月の竣工予定をさらに延期する可能性が高まっています。そしてこれらの事業計画が破綻すれば、青森県は核のゴミ捨て場となるのではないでしょうか。

しかし、核燃施設はこれで終わりそうにありません。政府や電気事業連合会は、海外再処理の過程で生じた低レベル放射性廃棄物や高ベータ・ガンマ廃棄物も六ヶ所核燃施設に集中管理させようとしています。また、再処理工場から抽出したMOX燃料を加工するMOX加工工場が建設されれば、関連施設が集中していくことでしょう。そうなると、当初の核燃三点セットは十点セットになる可能性が高く、そこから発生する核のゴミの集中管理をも余儀なくされるのではないでしょうか。

私たちは25年前、当時の北村知事の受け入れ表明に反対し、それ以降、一貫して核燃施設に反対の立場で「4・9反核燃の日」集会を開催してきました。その主たる理由は、核燃施設は人類とは共存できない核のゴミ捨て場でしかなく、青森県の豊かな自然環境を破壊し、施設から放出される放射能が青森県民に与える影響がとても大きいからです。

ところが最近は、原子力発電所は発電の課程で二酸化炭素を出さないことを理由に、環境に優しいという宣伝が一人歩きしています。しかし、ウラン鉱山から取り出されたウランが、どのくらいのエネルギーを使って原発の燃料になるのか、そして再処理等に掛かるエネルギーどのくらいか、全く明らかにされず、環境にやさしいとの宣伝を鵜呑みにするのは間違いです。

しかも、原発や核燃施設のバックエンド費用等は、電力会社が負担するのではなく、消費者が長期間払い続けることで支えるように法律を変えられました。このバックエンドの費用は消費者に負担を押し付けるのではなく、核燃施設が必要だという電力会社の負担に任せるべきです。

以上のことから、原発が環境に与える悪影響の大きさを考慮して、未来の子孫に残すべき未来の環境を考えて、核燃施設のない青森県を残すべきと考えます。

以上のことから、私たちは次の3項目について、貴職が国や事業者に働きかけることを強く要請します。

  1. レンガが破損したガラス固化施設は、今後高レベル廃液の固化作業に用いることなく、再処理工場のアクティブ試験を即刻中止すること。
  2. ウラン鉱山からウランを取り出して、原発で燃やすのまでの投入エネルギーと、使用済み燃料からプルトニウム抽出にかかるエネルギーの総量と経費を明らかにすること。
  3. 海外返還低レベル放射性廃棄物の本県を受け入れを拒否すること。

以上




2010年4月9日

日本原燃株式会社
社長 川井 吉彦 殿

原水爆禁止日本国民会議
議長 川野 浩一
原子力資料情報室
共同代表 西尾 漠
社会民主党青森県連合
代表 渡辺 英彦
青森県平和推進労働組合会議
議長 江良  實
原水爆禁止青森県民会議
代表 今村 修

六ヶ所再処理工場の本格稼働をやめ、
核燃サイクルから撤退する事の申し入れ

1985年4月9日、当時の北村知事は青森県議会全員協議会において、青森県民の不安をよそに、六ヶ所核燃三点セットの受け入れを表明しました。あれから4半世紀を迎え、北村知事の判断が拙速で間違いだったことを、核燃施設の現状が示しています。

原子力推進者らによる県民説明会では、どの施設も先行例があり、順調に操業できるとされましたが、貴社の技術不足から、どれも順調に推移してきませんでした。ウラン濃縮工場は濃縮率が極度に低下し、最新型の導入をしていますが、劣化ウラン等の処理に問題を残しています。また、低レベル放射性廃棄物の埋設施設は、地中への埋設管理が遅れ、周辺環境に放射線を撒き散らしています。当初県民に説明されなかった海外返還高レベル廃棄物一時貯蔵施設は、フランスからの返還分貯蔵を終え、イギリス分が3月に始まりましたが、県外最終処分場が決まらず、現在地に溜め置かれる不安があります。日本の核燃サイクル政策の要と言われる再処理工場は、アクティブ試験段階で既に放射能を環境中に放出し、高レベルガラス固化工程で躓き、17回目を数える今年10月の竣工予定をさらに延期する可能性が高まっています。

しかし、核燃施設はこれで終わりそうにありません。政府や電気事業連合会は、海外再処理の過程で生じた低レベル放射性廃棄物や高ベータ・ガンマ廃棄物も六ヶ所核燃施設に集中管理させようとしています。また、再処理工場から抽出したMOX燃料を加工するMOX加工工場が建設されれば、関連施設が集中していくことでしょう。そうなると、当初の核燃三点セットは十点セットになる可能性が高く、そこから発生する核のゴミの集中管理をも余儀なくされるのではないかとの不安が高まっています。

私たちは25年前、当時の北村知事の受け入れ表明に反対し、それ以降、一貫して核燃施設に反対の立場で「4・9反核燃の日」集会を開催してきました。その主たる理由は、核燃施設は人類とは共存できない核のゴミ捨て場でしかなく、青森県の豊かな自然環境を破壊し、施設から放出される放射能が青森県民に与える影響がとても大きいからです。

ところが最近は、原子力発電所は発電の課程で二酸化炭素を出さないことを理由に、環境に優しいという宣伝が一人歩きしています。しかし、ウラン鉱山から取り出されたウランが、どのくらいのエネルギーを使って原発の燃料になるのか、そして再処理等に掛かるエネルギーはどのくらいか、全く明らかにされていません。二酸化炭素の発生量の比較をするなら、あくまでフェアーでならなくてはなりませんが、それをしようとしないのは、県民だましに等しいのではないのでしょうか。

以上のことから、私たちは次の4項目について、実現を望みます。

  1.  レンガが破損したガラス固化施設は、今後高レベル廃液の固化作業に用いず、再処理工場のアクティブ試験を即刻中止すること。
  2.  ウラン鉱山から取り出して、原発で燃やす前までのウラン燃料にするまでの投入エネルギーと、使用済み燃料からプルトニウム抽出にかかる経費を明らかにすること。
  3.  海外返還低レベル放射性廃棄物を本県で受け入れるべき理由を文書として示すこと。
  4.  MOX加工工場の建設が決まれば、関連施設としてどのような施設の建設を考えているのか。

以上

Posted by kano at 16:56

2010年04月08日

米国「核態勢の見直し(NPR)」発表に際して

プラハ演説から1年、4月6日に米国の「核態勢の見直し(NPR)」が発表されました。消極的安全保証を宣言、核兵器の役割を縮小する、核の無い世界にむけた具体的な一歩です。核兵器の役割が基本的に核攻撃の抑止に限定されたこと、トマホーク退役が決定したことなど、日本からの働きかけも功を奏したものと思われます。核の無い世界に向けて、これからも紆余曲折が予想されますが、ようやく流れ始めた核軍縮の川が、核廃絶の海へ流れ着くよう、後押しを続けます。

「核態勢の見直し(NPR)」発表に際して原水禁の見解

2010年4月8日

米国「核態勢の見直し(NPR)」発表に際して原水禁の見解

原水爆禁止日本国民会議
事務局長 藤本泰成

プラハで行われる新START(戦略核兵器削減条約)の調印式をひかえ、米国の「核態勢の見直し(NPR)」が6日に発表されました。プラハ演説から1年、核の無い世界にむけて、ようやく具体的な一歩を踏み出しました。NPT遵守という条件付きですが、米国として消極的安全保証 ─ 非核国を核で攻撃しない、を宣言し、核兵器の役割を縮小する方向を明確にしました。原水禁は、核廃絶の運動に取り組んできた立場から、今回のNPRを核廃絶への一歩として歓迎します。

これまで米国政権内での議論がまとまらず、NPRの発表が延期されてきました。その原因と言われた、同盟国への核抑止の提供の問題に、今回一つの解決をみせたと言えます。日本の外交政策は、これまで核によらない攻撃に対しても米国の核抑止力を求めていました。日本からの要請を口実に戦術核の延命をはかる勢力が米国内でも一定の力をふるう中、新たな核弾頭の開発を廃止し核の数を減らす方向を示し、加えて「核兵器の基本的役割を核攻撃への抑止である」とした今回のNPRの内容は高く評価されます。

しかし、ロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)や包括的核実験防止条約(CTBT)の議会批准を見据えたとはいえ、保守派への配慮から核兵器維持管理・核開発施設強化、ミサイル防衛の拡大などが盛り込まれ、全体としてNPRの内容が後退したことは遺憾であると言わざるを得ません。

この間、原水禁は、旧来の通常兵器による攻撃にも核抑止力を求める政策を問題にし、国際的な核兵器廃絶運動に取り組む専門家を招聘するなど、核拡散核軍縮に関する国際委員会(ICNND)や政府への働きかけ等を通じて、「核の先制不使用」やそれにつながる「核の唯一の役割宣言」を求めることに取り組んできました。新政権の鳩山由紀夫首相・岡田克也外相ともに、核兵器廃絶への姿勢を明確にし、特に岡田外相は先制不使用の考えを支持し、米国へ核付きトマホークの延命を求めない書簡を送付するなど、日本外交としては画期的な動きを示してきました。11月のオバマ大統領の初来日時には、原水禁としても核付きトマホークの廃棄や「核兵器の唯一の役割宣言」を求める書簡を送りました。2月には民主党を中心に204人の超党派議員が連名で、同様の要請書簡をオバマ大統領に送る等、様々なレベルでのとりくみが行われてきました。

今回、核の役割が縮小されたことやトマホーク退役が決定したことは、日本からの働きかけの成果であるとも言えます。

4月8日の新START調印、12-13日の核セキュリティー・サミット、5月のNPT再検討会議と核問題に関する重要な舞台が続きます。パン・ギムン国連事務総長はNPRに消極的安全保証が含まれたことを高く評価し、核保有国に対し、すべての核兵器を廃棄するよう促すと発言しています。原水禁は、核軍縮への流れを止めることなく「核と人類は共存できない」という基本姿勢を堅持し、とりくみを強化していくものとします。

参考

Posted by kano at 20:09