2013年01月17日

核問題の世界的権威、オバマ大統領へ日本に再処理を断念させるよう求める

「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」誌はオバマ大統領に公開書簡で、日本政府に青森県六ケ所村での使用済み核燃料再処理を断念するよう求めることを要請しました。世界の終末までの残り時間を「零時まであと何分」という形で象徴的に示している世界終末時計でも有名。毎年1月に開かれる同誌の科学安全保障委員会は1月14日、2013年は5分前のまま針を動かさないことを発表。

世界終末時計について

世界終末時計(Doomsday clock)は、雑誌、Bulletin of the Atomic Scientists (直訳:原子力科学者会報)の表紙を飾る。広島・長崎に至ったマンハッタン計画への反省、核戦争を可能にしてしまった責任を感じる科学者グループが生み出した。シカゴ大学には現物(オブジェ)が飾られている。原水禁には同誌の発行人だったスティーブン・シュウォーツが世界大会やビキニ・デーに参加している。

2013年は昨年と同じ5分前とした同誌の科学安全保障委員会は、「2012年は全地球的な問題の数々が針を押し進めたが、数多くの市民たちが引き戻した」とした。また、同委員会は、オバマ大統領への公開書簡のなかで、新START批准や世界的な核セキュリティー体制の構築への賛辞を送った。さらに、再生可能エネルギー源への支援やエネルギー効率向上への取り組みにも言及、記録的な干ばつや超大型ハリケーンが、まさに温暖化予測に基づく気候変動の指摘するところと指摘。

2012年は福島事故後、日本がとるべき膨大なコストと長い時間を必要とする回復への道のりへの最も初期の段階でもある。また、核兵器削減、厳戒態勢解除、核兵器物質の管理の実現ができなかった年でもあるとした。

オバマ大統領への公開書簡で日本の再処理中止を呼びかけ

(書簡の関連部分を仮訳しました。)

核分裂性物質

2009年に大統領に就任後数ヶ月のとき、4年以内に世界各地すべての脆弱な核物質のセキュリティを確保するという目標を発表されました。すべての核分裂性物質は、分離する目的が核兵器用か民生用かにかかわらず相当な核拡散リスクをもたらすということ──これは、非常に重要な公表された確認事項です。2013年には核分裂性材料の議題を活性化し、拡めるべきです。

2010年に第1回の核セキュリティサミットを開催されました。しかし、2年ごとの国家元首のこれらの会議では、主に非核兵器国における民生用高濃縮ウラン(HEU)のセキュリティを確保し統合することに対処してきましたが、それは核分裂性物質の世界的備蓄の2%に未たないものです。また、民生用の高濃縮ウラン問題だけではありません。大統領の韓国外国語大学での昨年の演説を引用すれば、「我々がテロリストの手に渡らぬようにしようと試みているまさにその物質──分離済みプルトニウム──を大量に増やし続けることは、絶対にしてはならない」のです。

大統領、我々は、直ちに民生用および軍事用の核分裂性物質──高濃縮ウランと同様にプルトニウム──の備蓄への包括的アプローチを始動することを呼びかけます。独立した調査機関の評価では、高濃縮ウランの1440トンと分離プルトニウムの500トンの世界的備蓄の存在を示唆しています。 これは理論的には核兵器の数十万発に十分な量です。

1970年代以降、米国は民間の使用済み核燃料や核分裂性物質の分離の再処理をしていません。2013年には、米国として、日本の六ヶ所再処理工場の試運転を思いとどまらせるべきであり、また韓国の再処理計画を再考するよう奨励するべきです。

米国は今年、核弾頭(配備中または予備用保管のものを含む)以外のすべての過剰な核分裂性物質を公表し、国際的な監視のために提供するべきです。2013年は、米国独自の核分裂性物質蓄積量のさらなる削減だけではなく、ロシアや他の核保有国が保有する蓄積量の削減を求めるべき年です。

大統領、2013年にはアメリカ合衆国は、他のNPTで認められた核兵器保有国とともに、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮と連携して、正式な条約の成立を待つ間、兵器用核分裂性物質の増産へのモラトリアムを宣言するべきです。

Posted by kano at 18:53 | TrackBack