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2002.11.18

インタビュー:

レイニャ・マスリさんに聞きました

 10月23日から29日にかけて、アメリカの平和運動組織「ピース・アクション」から理事のレイニャ・マスリさんが来日し、10月24日の平和フォーラムの国連軍縮デー集会(日比谷野外公園)に参加した後、広島原水禁、大阪平和人権センター、奈良平和フォーラムなどで講演・交流を行った。
 ピースアクションはアメリカ27州に支部をもち、会員8万5千人を擁するアメリカ最大の平和運動組織である。原水禁世界大会にはピースアクションからも毎年代表が参加している。レイニャ・マスリさんはノース・カロライナ州支部の会員で、アラビア人女性連帯協会の国連代表、イラク・アクション連合コーディネイターでもある。日常的には地方や全米、国際的なニュース雑誌に平和と公正、人種的偏見、フェミニズム、イラクに対する制裁やパレスチナ占領問題などを執筆している。またアメリカ、カナダ各地や大学で講演活動を行う一方、多くのラジオに出演している。CNNをはじめ多くのラジオ、テレビのインタビューも受けている。
 日本では東京の平和集会で挨拶した後、デモにも参加した。各地をまわる合間を縫ってレイニャさんに、とくに間近に迫っているアメリカのイラク攻撃問題を中心にインタビューを行った。なおスピーチの内容についてはレイニャのスピーチを開けて頂きたい

質問日本では平和運動に労働組合が大きな影響力をもっているが、アメリカではどうか?

レイニャ全米的な労働組合はブッシュ政権を支持していて、平和運動には全く取り組んでいない。ただローカルな小さな労働組合で平和問題に取り組んでいるところはある。

質問日本の平和集会に参加しての感想は?

レイニャアメリカの場合は労働組合がデモに参加すると、大声で叫んだりしてにぎやかだ。日本のデモは少しおとなしい感じを受けた。しかしこれは先頭を歩いていたからで、全体を見て言っているのではない。

質問あなたのスピーチを聞くと、アメリカのイラク攻撃の最終的な目標は石油利権にあって、そのために米軍はイラクに10年くらい駐留する計画だとのことだが、そうなるとアラブだけではなくて、世界が大きな混乱の波に巻き込まれる心配があるが、こうした心配はアメリカで問題になっていないのか?

レイニャもちろんピース・アクションや多くの平和運動グループは心配している。しかしマスコミ、全国的な新聞、テレビは政府のPR係のような存在になっていて、そのような問題をほとんど取り上げない。パレスチナでどのようなことが起こっているのかについてもほとんど報道していない。

質問イラクで戦術核兵器が使われる可能性は?

レイニャその問題も大きな懸念の一つだ。さらにもう一つ、劣化ウラン弾が使われるとしたら、その放射能の影響は深刻なものになるだろう。91年の湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾はすでにイラクで深刻な影響が出ている。

質問イラクのサダム・フセインについてどう思うか?また仮にフセイン体制が崩壊したあと、国を治めることのできる指導者はいるか?

レイニャたしかにサダムは独裁者だが、サダム・フセインは教育改革を進め、いまでは識字率は100%になっている。イラクに指導者になれる人がいるか?答えはイエスだ。しかしアメリカは民主的に選ばれた人物を歓迎しないだろう。石油の国有化も困るし、パレスチナを支持しても困るからだ。

質問アメリカのイラク攻撃に反対するために、いまなにが必要と考えるか?

レイニャまず世界的な平和運動が必要だ。ピースアクションでは新聞広告を出したり、市民的不服従の行動をいろいろ考えている。アメリカの全国法律家ギルドでは市民的不服従に支援を表明している。シカゴのグループ「荒野の声」は現在50人の人間の盾をイラクに送っているが、12月までに100人に増やそうと考えている。
 アメリカ国内では、いまはまだブッシュ支持が多数だが、その差は少なくなってきている。私たちの運動によってそれは変わる可能性がある。日本の人たちの連帯した運動を期待したい。

 原水禁ではピースアクションと共同で「被爆者・9/11遺族合同・スピーキング・ツアー(講演旅行)」を企画し、広島のヒバクシャ・池田精子さんが約1週間の予定で、9・11の被害者とともに東部のボストン大学やハーバード大学などを訪問し、交流する。
 10月29日午後、関西国際空港から池田さん、通訳の吉田さん、レイニャ・マスリさんの三人が飛び立った。