原発
2003.3.5

JCO臨界事故裁判判決に対する声明

 茨城県の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(以下JCO)が99年9月30日に起こした、臨界事故に対する判決が、3月3日、水戸地方裁判所で下された。判決では、JCOの「安全性軽視の姿勢」を指弾し、有罪判決を下したが、国の監督責任などには一切触れずじまいであった。
 裏マニュアルや臨界教育の不備など様々な脱法行為、偽装や手抜きなどを積み重ね、2名の労働者の貴重な命を奪い、多数の被爆者を生みだした事の重大性を考えれば、有罪は当然の判決と言える。しかし、あれだけの被害をもたらしながら、量刑も軽く、事業者の罰金も100万円と軽いことは、法の不備とあっても、被害にあった人々の感情とは大きくかけ離れたものである。さらに国の責任が不問とあっては、臨界事故全体をあいまいにした判決である。
 今回の判決で国や発注者の核燃料サイクル開発機構の責任が問われず、全て事業者の責任としたことは問題である。確かに一義的にはJCOに責任があるが、安全審査・規制の責任は国にある。84年にJCOが中濃宿ウランの加工事業許可を受けた際、旧科学技術庁で安全審査を担当したのは、JCOに核燃料を発注した旧動燃(現核燃料サイクル開発機構)からの出向者であり、公判の中でも「申請した内容を守るのは無理」と証言している。また、転換試験棟への国の巡視も、操業がない時期に行われるなど国の管理・監督の甘さに問題がある。事故以降も国側の安全規制は、東電などのトラブル隠しやデータ改ざんなどを独自に摘発できなかったことからもわかるように、その能力はいまだ不十分と言わざるを得ない。さらに国は、事故以降、原子炉等規制法の不備を認め、法改正を行っている。このことからも国自ら監督責任の不備を認めているもので、そこまで判決が踏み込まなかったことは、誠に残念である。
 現在も臨界事故により被曝した周辺住民は、肉体的にも精神的にも傷ついたままで、なんらの救済も受けていない。また、風評被害などの経済的な補償も、いまだ完全決着もついていない。その意味でも、いまだJCO臨界事故は終わっていない。
 国側の不十分な事故調査と今回の判決で、JCO臨界事故に幕引きをさせてはならない。私たちは、今後もJCO臨界事故の全体像の解明と責任追及を、JCO臨界事故総合評価会議の活動を軸に、地元と連携を強化して、明らかにしていく所存である。
 また、私たちは、「二度とヒバクシャを作らない」決意をあらためて誓うことが、亡くなった2人の無念の死に報いるものであり、今まで以上に反核・脱原発の運動を押し進めて行くものである。

2003年3月5日
フォーラム平和・人権・環境
原水爆禁止日本国民会議