原発
2003.6

大間原発計画中止を求めて電源開発に申し入れ

 4月9日、青森県大間町に計画されているフルMOXの改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の撤退を求めて、大間町議の佐藤亮一さん(4月27日に再選)をはじめ、原子力資料情報室、原水爆禁止日本国民会議などが共同で、電源開発(株)本社に対して申し入れを行った。
 大間原発は、炉心予定地近くの土地が地権者の反対で未買収となっており、建設計画が14回も延期されている状況にある。そのため2月6日に、未買収地をそのまま残し、炉心の位置を200メートル南に移動させて、建設計画を進めると発表した。
原子炉設置許可を再度申請し直し、2012年を目途に運転を開始するという。
 同計画については、各地のMOX利用計画自体、頓挫している中で、世界的に例のない全炉心をMOX燃料として操業する計画そのものの危険性が問われている。さらに、完全民営化される電源開発にとって、電力自由化の流れの中で原発を設置することによる経営への負担の増大が予想される。現に原発本体だけでも4700億円、送電線の設置でも300億円程度もかかると言われ、MOX燃料はウラン燃料より高く、売電目的の発電所だけに、コスト的に見合うのかどうか疑問視されている。
 炉心を200メートルずらすことにより、未買収地から実質300メートル離れ、電源開発は、周辺監視区域から外れて、建設は可能である、原発敷地内に未買収地が残ってもかまわない、と述べていた。再申請による安全審査については、国の対応次第だとも言う。また、運転実績のない原発の稼働については、社員を各原発に派遣し経験を積ませ、MOX利用も最初からフルMOXで行うのではなく、当初は3分の1以下またはMOXを装荷をせずに通常の原発としてスタートすることも可能だとも述べていた。
 今回の申し入れで感じたのは、民間会社に移行するにもかかわらず、「フルMOXの原発建設は、国の政策だからやっている」、と国の政策に忠実に動こうとする旧国策会社の官僚的体質が染み込んだ対応が随所に見られたことだ。電力の自由化に伴い、企業としてリスクの大きい原発に手を出すことに何らの厳しさを感じているようには見えなかった。 最後に、未買収地の地権者に対して、今後一切、電源開発から働きかけることはしない、という約束を引きだしたことは今回の成果であった。

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