再処理
2008.2.17

日本のプルトニウム: 核兵器廃絶の障害

核兵器のない世界のためのグローバル・サミット
2008年2月16−17日
(於 ロンドン市庁舎)

福山真劫
原水爆禁止国民会議事務局長

ご紹介ありがとうございます。まず最初に、原水禁を代表して、「核廃絶キャンペーン(CND)」の50周年のお祝いを申し上げます。CNDは、世界の反核運動にインスピレーションを与えてきました。また、原水禁の毎年の大会にはこれまで何人ものCNDの代表が出席してくださっています。ですから、この重要な記念の時を皆様とともに過ごせることを非常に嬉しく思います。このような機会を与えてくださった会議の組織関係者に御礼を申し上げます。

原水禁では、平和市長会議や労働組合その他と協力しながら核兵器禁止条約の運動に精力的に取り組んでいますが、ここでは、日本のプルトニウムの蓄積という緊急の問題について話させて頂きたいと思います。1945年に長崎を破壊した物質です。日本の本州の北端に位置する青森県にある六ヶ所再処理工場が、まもなく、3月末にも、商業運転に入ると見られています。この工場は、2011年には最大処理能力の年間800トンを達成し、毎年8トンのプルトニウムを分離するようになることになっています。長崎原爆1000発分です。日本所有のプルトニウムは、2006年末現在で、すでに、45トンもたまっています。長崎原爆5000発分以上です。このうち、38トンがヨーロッパに、(17トンがイギリス、21トンがフランス)、そして、7トンが日本にあります。ヨーロッパの38トンは、英仏の会社と契約で両国で再処理されたものです。

日本政府も非経済的だと認める六ヶ所の商業運転が開始されれば、核兵器製造の意図を持つ国がこれを口実に同様の施設を作るのを防ぐことが難しくなります。これは、それだけ核廃絶が難しくなることを意味します。また、プルトニウムが第三者によって盗まれ使用される可能性もあります。さらに、隣国における日本の意図についての疑惑は、すでに緊張状態にあるこの地域にさらなる緊張をもたらすことになるでしょう。従って、私たちは、環境及び安全性の問題に加えて、核拡散防止及び平和構築の観点から、六ヶ所の運転開始に反対しています。3月末に青森県その他で運転開始反対の集会が開かれます。これらの集会にメッセージあるいは代表をお送り頂ければ非常に有り難く思います。

どうしてこのような状態になってしまったのでしょうか。

元々は、分離されたプルトニウムを高速増殖炉で使うことになっていました。使用した以上のプルトニウムを生み出すという炉です。しかし高速増殖炉計画は、予定通りには進みませんでした。そして、1995年の「もんじゅ」原型炉でのナトリウム漏れ・火災事故以降は完全に頓挫しています。そこで、元々、蓄積されたプルトニウムをいわゆるMOX燃料として普通の軽水炉で消費する一時しのぎの計画が、プルトニウム消費の主要手段とされてしまいました。1997年には、2010年までに16−18基の原子炉でMOX使用(プルサーマル)を導入すると発表されました。しかしこれも遅れています。さまざまなスキャンダルなどのためです。関西電力用のMOX燃料の品質管理データをBNFLが捏造したという1999年のニュースをご記憶の方もいらっしゃるかと思います。こうして、日本の分離済みプルトニウムはたまる一方です。2006年3月31日に始まったアクティブ試験では、430トンの実際の使用済燃料を再処理して、4トンほどのプルトニウムを分離することになっています。六ヶ所の商業運転が開始されれば、非核兵器国で初めての商業規模の再処理工場となります。状況次第では、日本のプルトニウム所有量は、数年のうちに、米国の核兵器用プルトニウム生産量の総量に匹敵する約80トンに達してしまいます。

再処理推進派が、工場を直ちに運転開始すべき理由として挙げている最新の正当化の議論は、工場が運転されなければ、使用済燃料の行き場がなくなり、原発の閉鎖をもたらすというものです。この使用済燃料貯蔵スペース不足の問題は、誇張されたものですし、いずれにしても、それは、高速増殖炉を含む核燃料サイクルが早期に達成される振りをしてきた政府や原子力産業側の計画の失敗から来るものです。現在の彼らの計画は、使用済燃料を六ヶ所に送り、そこで、プルトニウム、ウラン、各種の廃棄物に分け──その過程で環境汚染を巻き起こし──そして、それらを六ヶ所で長期間貯蔵するというものです。私たちは、再処理推進派が現在の悪い状況をさらに悪くするのを許すことは出来ません。

日本の私たちにとって、日本がこれ以上核廃絶の障害になるのを防ぐのが重要です。どんなかたちであれ、私たちの闘いに協力して頂ければと思います。3月には、私たちと思いをともにしてください。あるいは、現地にお越し下さい。

ご静聴ありがとうございました。