核兵器
2002

2002年 核軍縮に関する国連での動きに関して

原水禁は、今年も国連総会に向け10月9日外務省に申し入れ、ブッシュ・ドクトリンなど強まる米国の単独行動主義に対して、新アジェンダ連合と協調して働きかけるよう要請した。(3団体共同要請文

また、今年も毎週国連での動きを送ってくれたNGOのグループに感謝したい。英文ながらリーチング・クリティカル・ウィルなどからニューヨークからのレポートが届き、また、だれでもそのサイトで最新情報が得られるのは特筆すべきだろう。

日本案

 毎年出されている日本の核廃絶決議案「核兵器の全面的廃絶への道程」は、10月23日、国連総会第一委員会で、賛成136、反対2(米、印)、棄権13で採択。決議案の主文は前年と変わらず、2000年のNPT再検討会議の合意文書の焼き直しといったところで、次に紹介する、日本がその決議案に対して棄権に回った新アジェンダ連合が非戦略核兵器の縮小の新たな決議案を出すなど積極的に動いたことと対比される。

内訳は:

国連総会第1委員会での日本案 L42(核兵器の全面的廃絶への道程)への投票説明の紹介
新アジェンダ L42(核兵器の完全な廃絶への道程)についての採決の前の投票説明。(アイルランド):棄権
議長、
新アジェンダ連合のブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカおよびスウェーデンを代表し、「核兵器の完全な廃絶への道程」決議案に関して発言します。
2000年NPT再検討会議の最も重要な成果の一つは、核保有国が、NPTの加盟国すべてが第6条のもと約束している核軍縮にむけ全面的核軍備撤廃を達成する明確な約束をしたことです。ざんねんながら、L42 決議案は、我々の見るところ、この成果の誤った解釈にとどまっているようです。
第1に、核保有国の全面的核廃絶への明確な約束を主文の第3条eに置くことで、この約束がこれからなされる段階にとどまっていることを暗に示している。
第2に、明確な約束を主文の第3条におくことで、また、一般的かつ全面的な軍縮との文脈的つながりを作ってしまっており、我々には受け入れられない。
議長、
我々はこの決議案の提案国が核軍縮に献身していることに感謝します。そのことに疑問はありません。この決議に関して相談し、前文8が2000年NPT再検討会議の成果が正しく反映され、2000年に採択された決議の文言に戻れば、受け入れることができたかも知れません。この文言が使われなかったことで、新アジェンダ連合のメンバーは決議案に棄権します。
米国代表:L42(核兵器の完全な廃絶への道程)についての採決の後の投票説明。 反対投票
議長、
私たちが昨年行ったように、アメリカ代表団は反対投票しました。決議案L.42においては、第1に、それがCTBTの文言を含んでいためです。私たちは、決議の精神には、何らかの寄与をすることができるかと信じます。同時に、我が代表団は、多量破壊兵器とその技術の転送を排除する、より強い不拡散管理が無いために、核軍縮が達成可能にならないと信じます。アメリカは、NPTへの公約および、2000年のNPT再検討会議の最終文書の履行に対して寄与する準備があることを明確にしました。この今日の決議案についてのアメリカの投票は、これらの同じ原則を支持するL.42の部分への拒否と見なされるべきではありません。
議長ありがとうございました。
インド: L-42についての採決の説明 :反対投票
議長、
核軍縮、および核兵器の完全な廃絶のゴールに対してインドが確固たる公約を行っていることは世界的に有名です。しかしながら、これらの目的を達成するつもりの道具は核不拡散条約で、この会期中にこのフォーラムで数回既に述べられていますが―有効だったようには見えません。インドは、これを認識し、代わりに、NPTのフレームワークを越える道筋こそが必要であると繰り返すでしょう。世界的軍縮によるすべてのために等しく正当な安全保障への道程です。
説明したように、初期の実例でも、私たちは決議が、それを定められた目的のための乗り物としては欠陥のあるようにしてしまう、NPTの考え方に基づいていることが分かりました。さらに、それは、2000年のNPT再検討会議の最終文書(前文 7)を歓迎しています―それは我々の見解ではバランスのとれた文書ではありません。主文3(b)の中の核分裂性の物質の生産中の一時停止の要求は、現実への反応性のなさを示しています。主文1のNPTの普遍性の要求は説得力がありません。
したがって、私たちが決議の基本的な目的に(それは核兵器の世界的廃絶である)賛成していながら、、インドは、その多くの要素が、欠陥のある手法に基づき、つまり承諾しがたいままであるのために全体としての決議を支援することができません。したがって、インドは、決議に全体として反対投票を投じました。

新アジェンダ連合決議案

リーチング・クリティカル・ウィルの最終レポートより、この項はメラブ・ダタンとエミリー・シュローダーによる。)

新アジェンダ連合(NAC)は以下の国から構成される: ブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカおよびスウェーデン。NACは、1998年以来の核軍縮、特に2000年のNPT再検討会議に重要な役割を果たした。今年、NACは、第57国連総会の会期のマージンで9月13日の大臣の宣言をともなった、核兵器廃絶への「新アジェンダ」の要請を再度主張した。そこでは、新アジェンダの大臣たちが核軍縮における「進展の無いことに彼らの不満を表現した。」

NAC諸国は今年の第1委員会に2つの議案の草案を提出した。以前の作業と決議に基礎を置いた「核兵器の無い世界へ: 新アジェンダの必要」(A/C.1/57/L.3/Rev.1)、そして2つめが、「非戦略核兵器の縮小」(A/C.1/57/L.2/Rev.1)

その声明と決議案を通じて、NACは、明白に核軍縮に向けての確実なステップの必要、および核保有国が2000年のNPTでの約束から引き下がってしまっているという(他の多勢によっても同じく共有されている)懸念を再度主張した。決議案は、2000年のNPT再検討会議で一致した、核軍縮に向けての実際的なステップをさらに再確認し更新した。

「核兵器の無い世界へ: 新アジェンダの必要」決議案は以下の主文を含む:

この決議は2000年のNPT再検討会議の最終文書の語調より強い語調を使い、その結果いくらか支持を失なった。発言した国々のうちのいくつかは、核軍縮の全面的な目標が中心に据えられていることに合意した。しかし、この決議が時期尚早であると言うものもいた。スイスは、核軍縮へのプロセスがゆっくりした、現実的で、平衡を保った、そして建設的な対話の精神の中でものでなければならないと述べ、いくつかの国の懸念を言葉にした。

ロシア、イギリス(アメリカとフランスを代弁して)は、決議が米国とロシアの間で最近署名された戦略兵器の縮小に関するモスクワ条約のような核軍縮の方へ進行中の協定を十分に反映していないと述べた。[疑問: 総括的決議はモスクワ条約に言及している。この批判はもっと特定的で、非戦略兵器決議に関してか?]NPTに加盟してないインド・パキスタンは、NPTへの言及のため反対投票した。

結局、新アジェンダ決議案の全体に関する投票結果は以下のとおり:
 ◆賛成-118; 反対-7; 棄権-38(10月25日)

別のNAC決議案「非戦略核兵器の縮小」で「非常に率直に」要求するのは:

当初の観測と異なり、非戦略核兵器に関する決議についての協議において、米国はNATOその他の同盟国の間でこの決議に対する反対票を固めていったようだ。特に各国首都に赴いての、直接の働きかけが功を奏したようだ。その際、米国の代表団は、これが2国間の問題であると主張したのだろう。

投票結果は次のとおり:
 ◆賛成 ― 115; 反対-3; 棄権-38(10月28日)
決議に反対する3カ国はアメリカ、英国およびフランス。
その投票についての説明では、この決議が、現在の努力を無視する、欠陥のあるアプローチをとっている、またこの問題に関して、定義、査察、また幅広く非対称性の問題が存在しているのに、そのどれも言及されていない。
別のNAC決議と異なり、中国やカナダも支持しなかった。カナダの投票の説明では、「そのような議論に現在適切なフォーラムの中で、この問題の詳細な技術的な様相に注目することが最も生産的だ。」中国にとっては、決議に問題の明瞭な定義が無く、また、核軍縮の領域での他の問題に対する優先権をこの問題に認めなかった。

両方の決議が、私たちが望んだような全面的な支持を得たわけではかったが、新アジェンダは、新しいアジェンダの必要の確認により核軍縮のこの陰鬱な場面の新しい地平を開拓することを勇敢に試みた。恐らく次の年までに、これらの決議が、特にその原則および価値でこの決議に協力できたが、政治的圧力により賛成投票することを妨げられた国々から、より多くの支援を得ることができるだろう。