核兵器
2007.2.28

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軍縮・不拡散アップデート 2007年 第2号


  1. 【米印原子力協力】
  2. 【国連】
  3. 【国際会議・軍縮不拡散交渉】
  4. 【トピックス】
  5. 【カレンダー】
  6. 【海外ニュースより】

【米印原子力協力】

自治体決議を!

米印原子力協力については、後述の新聞記事(インド主要紙)でも報道されているとおり、未だ二国間の温度差は明白であり、このような核不拡散体制を根底から否定するような原子力協力は真の核兵器廃絶を願う国々、人々によって阻止されなければなりません。

昨年12月、米国議会はそれまでの原子力法で禁止されていたNPT非加盟国との原子力協力にあたる、インドとの原子力協力を進める第一歩として、「ヘンリー・ハイド米印平和原子力協力法」(以下、米原子力協力法)を賛成多数で採択し、これを受けて12月8日、ブッシュ大統領が署名して法律が制定されました。しかし、署名にあたりブッシュ大統領は、「」という一文を書き加えることにより、少なくとも彼の在任中は法律以上の権限も持ち得ることを示しています。また、インドのシン首相は米原子力協力法の制定後にインド議会に対し、インドの原子力開発については米国の国内法に縛られることなく、二国間協定においてのみ拘束力を持つ、と言った発言をしています。

日本を始め、原子力供給国グループ(NSG)に参加する45ヶ国は、これまで通りNPT非加盟国への原子力協力は行わないことにより、核拡散を防止する体制を更に強化するべきです。私たちはこの春の地方議会などの場で、日本政府に対して「核軍縮・核不拡散体制を強化し、米印原子力協力へ反対するよう求める」意見書を採択し、1つでも多くの意見書を日本政府へ届けていただきたいと思い、取組みへのご協力を呼びかけております。(参考)

春の統一地方選挙を控え、それぞれの自治体で大変な状況とは存じますが、単に原子力での協力にとどまらず、南アジアにおける軍拡競争の激化、先には核軍縮枠組みの逆行など非常に憂うべき事態へと続く可能性も否定できません。まだ日本政府の立場は明確に示されておりませんので、今年いっぱいは取り組んでいく必要があるかと存じます。

詳しい解説資料や、自治体決議案、意見書案などの参考資料がご覧いただけます。

各地の皆様のご協力、どうぞよろしくお願い申し上げます。

印パの平和運動による声明(「核情報」サイトより)

ヒンドゥ紙(インド)

2007年2月17日付けの首都ニューデリーの主要紙である「ヒンドゥ」は米印平和原子力協力について、米印両政府や議会など関係者間での思惑のズレを指摘する記事を掲載したので、ご紹介します。

タイトルには「核実験と燃料確保で違い」と大きく書かれ、これは昨年12月に米国議会を通過、それを受けてブッシュ米大統領が署名した「米印平和原子力協力法」が、保障措置を適用する原子炉への燃料供給の問題、そして将来インドが核実験を行った場合の原子力協力即時停止を定めたことなど、インドの思惑とのズレがあることを指摘している。これに対してインド側は、14項目にわたる協定案を米国へ翌週にも手渡す用意があるという。原子力平和利用に関する二国間協定は、米国の原子力法(国内法)の123条から抜粋されたことから「123協定」と呼ばれている。

この協定をめぐる折衝は、2005年7月のシン・ブッシュ会談より協議が始まって以来、米国の法律が成立したことで新たな局面をむかえている。

バラダラヤン氏はまた、米国が新しい法律で唯一訂正する準備があるのは、タイプミスを1つだけであることをインド政府の高官(匿名)は皮肉っぽく語ったと書いている。これは、「1ポイントのTNT〔化学爆薬〕」と書かれている箇所を、「1ポンドの」と訂正されるらしい。しかし、これ以外の実質的な内容に関わる質問については、じっと沈黙を保ったままのようである。

前述の草案が米国側へ手渡され、それを充分に検討した後に今度は米国側の代表がデリーを訪れる。米国議会は、「123協定」がインドが行う核爆発に関して、昨年の米国法に沿った内容で無ければならないことを強く主張しており、他にも燃料供給という点で、法律が特定する原子炉の「操業に必要な事項」を守るべきであるとしている。

しかしマンモハン・シン印首相は米国の国内法にインドは「縛られない」と議会で述べており、二国間協定の折衝で可能な限りインド側にとって有利な取り決めを実現したい考えである。

この他、日本も参加しての原子力供給国グループ(NSG)の次回会合が今年4月にも開かれると言われており、核不拡散体制を根底からひっくり返すことにもなりかねない米印原子力協力について慎重な立場の国も多いことから、実質的な協定の決着にはいくつかのハードルが有る。しかし、経済協力を名目に原子力協力を推し進める圧力も強まっており、核軍縮と核不拡散が外交の最優先事項として強く主張されるよう、NSGに参加する各国での積極的な取組みが必要とされている。

The Hindu 17/02/2007 (原文:英語)

Draft 123 text to be given to U.S. Differences remain on testing, fuel guarantees

"Reference to Indian nuclear test unacceptable"

【国連】

軍縮局をなくすな!

潘国連事務総長が発表した、DDA(Department of Disarmament Affairs:軍縮局)の格下げ案を受け、国連総会は2月5日、非公開の非公式会合で組織の再構築について話し合いました。しかし、多くの政府と市民社会(NGOなど)から根強い反対の声が上がっています。

当初の提案では、国連軍縮局を政治局へ統合すると考えられていましたが、新たに事務総長室内に置かれることが提案されています。非公開会議以降も、引き続き個別の打ち合わせなどが続けられる模様。幾つかの加盟国によって、計画されている再構築が第5委員会(総務・予算)において進められることが提案されましたが、第5委員会の評判も悪いことなどから、既に多くの困難に直面することが予想されています。

現在、根強い反対意見があることにより、事務総長提案は形を変えています。非同盟諸国(NAM)と77カ国グループ(G77)は、軍縮局が政治局へ統合されれば、核兵器国の代表がトップを務めることになることを懼れ、当初の提案に反対していました。そこで事務総長は、軍縮局を事務総長室へ移すことを提案し、局を「事務局」扱いとして事務総長特別代表、もしくは事務総長最高代表(SRSG)、すなわち事務総長補佐が率いることが提案されています。しかし依然として、NAMやG77各国の中における疑念は拭われておらず、オーストリアやニュージーランド、ノルウェー、そしてスウェーデンなどの西洋諸国も同様に反対しています。

軍縮局の委任事項や局長が、国連事務局の組織的枠組みの中から、事務総長と個人的なつながりが強い位置へ移動されること、事務総長が軍縮に関わる全ての決定に関わらなければならなくなるなどの理由から、市民社会はこの提案に反対しています。

事務総長の提案が変わったことを受け、RCWでは、各国代表へ提案に反対することを求める要望書のサンプルを新たに作成し、ウェブサイトに掲載しました。(英文 .doc)

潘基文国連事務総長 ファックス番号(UN Secretary-General Ban Ki-Moon):+1 212 963-4879

【国際会議・軍縮不拡散交渉】

国連軍縮会議(CD:Conference on Disarmament)

1月22日(月)開会総会

第一回会議の議長国である南アフリカが、開会を宣言し、今年の国連軍縮会議が始まりました。開会宣言に続き、着任したばかりの潘基文国連事務総長からのメッセージが読み上げられました。

1月24日(水)全体会議

各国間の最終調整が活発になる中、既に調整の進められてきた議案やスケジュールについて、今年の方針が全体で採決されました。

*2007年国連軍縮会議:全体の枠組み

2006年の6議長国によって作成された「実質的協議のタイムテーブル」に基づき、2007年の6議長国が提案した枠組みについて、加盟国の賛成が得られたことで、今年の具体的なスケジュールが決まりました。

CDは今後、初めの10週間(1月22日〜3月31日)で議案を一つずつ話し合います。話し合いの進め方としては、1つの議案について3回の非公式協議と1回の公式協議を重ね、一週間で2つの議案について話し合います。

今回行われる第一回会議の進捗状況を確認した上で、第二回会議は前進が見込まれる議案、もしくは具体的に進めるべき議案について集中的に話し合われることとなっています。そして第三回会議は、三週間の協議期間、一週間のレビュー、そして最後の三週間で今年の報告をまとめる作業を行う予定です。

それぞれの議案を担当するコーディネーターとなったのは以下の各国(括弧内は協議が行われる予定日):

議案第一号:核軍拡競争の全面停止、核軍縮(ノルウェー)
 (2月5〜9日、26日〜3月2日)
議案第二号:核戦争の防止とそれに関連する全ての事項(イタリア)
 (2月5〜9日、3月5〜9日)
議案第三号:宇宙の軍拡競争防止(カナダ)
 (2月12〜16日、3月5〜9日)
議案第四号:核兵器の利用、もしくは利用による脅威から非核兵器国の安全を確保する国際的な取り決め(ブラジル)
 (2月12〜16日、3月12〜16日)
議案第五号:新しい型の大量破壊兵器とそのような兵器の新たなシステム、例えば放射能兵器を含む(ブルガリア)
 (2月19〜23日、3月12〜16日)
議案第六号:軍縮へ向けた包括的計画(インドネシア)
 (2月19〜23日、3月19〜23日)
議案第七号:軍備の透明性(イギリス)
 (2月26〜3月2日、19〜23日)

なお、今回の軍縮会議で最も注目されている「核分裂性物質生産禁止条約」または「カットオフ条約」(FMCT:Fissile Materila Cutoff Treaty)の交渉開始へ向けた協議は、議案第二号の中で行われます。その他、第四号の協議では「消極的安全保障(Negative Security Assurance)」や非核地帯などが話し合いのテーマとして上げられています。

《日本政府の提言》

日本が2月6日の全体会議で配布した文書では、以下の点について日本政府の立場を述べている。

原文(英語 pdf

核不拡散条約再検討会議(2010年)第一回準備会合

4月30日〜5月11日 ウィーン(オーストリア)

*NGOによる発表は、5月3日(木)か2日(水)、4日(金)のいずれかで調整中です。

《NGOイベントカレンダー》(3月5日現在:変更の可能性あり)

Reaching Critical Will ウェブサイト参照

4月29日(日) NGOオリエンテーション
4月30日(月)
8:00〜
NGO登録(オーストリアセンター2階)
連絡先:Ms. Kristin Jenssen, 国連軍縮局 (http://disarmament.un.org)
13:15〜14:45
「生存の保障:核兵器禁止会議の場合」発表
連絡先: Felicity Hill(www.icanw.org)
15:00〜18:00
核廃絶キャンペーン(CND)イベント
連絡先: Sam Akaki, Parliamentary Officer, Campaign for Nuclear Disarmament(www.cnduk.org)
5月1日(火) (メーデー)
10:00〜12:00
「未来のエネルギー供給:原子力と代替エネルギー」
13:15〜14:45
「核の無秩序か協力的安全保障か?」
連絡先:Jackie Cabasso, Western States Legal Foundation(www.wmdreport.org)
15:00〜17:00
「未来のエネルギー供給:原子力と代替エネルギー」
連絡先: Wolfgang Schlupp-Hauck (www.pressehuette.de)
5月2日(水)
13:15〜14:45
中堅国家構想(Middle Powers Initiative)イベント
連絡先: Jim Wurst, Middle Powers Initiative(www.middlepowers.org)
5月3日(火)
13:15〜14:45
米英安全保障情報協議会(BASIC) イベント
連絡先: Ian Davis(www.basicint.org)
15:30〜17:30
「軍縮の遵守について国際司法裁判所へ再び」
連絡先: George Farebrother(http://wcp.gn.apc.org)
17:45〜19:45
アボリション2000欧州地域会議
連絡先: Dominique Lalanne(www.abolition2000europe.org)
5月4日(金)
10:30〜12:30
「米印原子力協力のNPTへの影響」
連絡先: Regina Hagen for CNIC, Gensuikin, INESAP, and IPFM
http://cnic.jp/english/, www.gensuikin.org, www.inesap.org, www.fissilematerials.org
13:15〜14:45
「核軍縮に関する欧州提言」
連絡先: Dominique Lalanne(www.abolition2000europe.org)
15:00〜17:30
国際平和ビューロー(IPB)イベント
連絡先:Coliln Archer (www.ipb.org)
17:35〜19:45
「国際司法裁判所へ再び:組織会議」
連絡先: George Farebrother(http://wcp.gn.apc.org)
5月7日(月)
13:15〜14:45(会議室A)
世界的安全保障研究所(GSI)イベント
連絡先: Rhianna Tyson, Program Officer(www.gsinstitute.org)
5月8日(火)
13:15〜14:45
INESAPイベント
連絡先: Regina Hagen, INESAP Coordinator(www.inesap.org)
5月9日(水)
13:15〜14:45
世界的安全保障研究所(GSI)イベント
連絡先: Rhianna Tyson, Program Officer(www.gsinstitute.org)

【トピックス】

《英セラフィールドのソープ再処理工場(THORP)の再開に更なる遅れ》

英国核解体公社(Nuclear Decommissioning Authority:以下、NDA)と契約し、THORP を運転している英国原子力グループ(British Nuclear Group:以下、BNG)は、THORP再開 に更なる遅れが出ることを認めました。最近確認した情報によると、今年1月、事業再開に関して核関連施設局(NII)から合意を得たものの、高レベル放射性廃液の処理に関 わるダウンストリーム(再処理工程の後半部分)の機器の安全が確認されるまで再開は難しく、この確認は「2007年半ば」まで行われない見込みであることから、THORPの 完全な再開はそれまでは難しいとBNG側は見ています。

この遅れの原因となっているダウンストリームの機器とは蒸発器Cと呼ばれる部分で、高レベル放射性廃液をタンクに貯蔵する前に処理する箇所です。BNGが2月28日に発行 した機関紙によると、「蒸発器Cに以上は認められなかった」といっていますが、遅れによってコストは高くなるばかりであり、また長期間にわたる閉鎖の最後の部分でこのよ うな安全確認がどうして行われなければならないのか、分からない部分が多い、と地元の市民による監視団体であるCumbrians Opposed to a Radioactive Environment (以 下、CORE)は述べています。

2005年4月に国際原子力事象評価尺度(INES)のレベル3(重大な異常事象)の評価を受けた漏洩事故を起こして以来、THORPは閉鎖されています。当初BNGは、2005 年12月までの再開を目指していましたが、その後、複雑な事後処理や損傷部分の修復作業などによって、再開は何度も延期されてきました。

今回の再開延期は、THORPの所有者であるNDAにとっては特に深刻な問題であり、2年間の閉鎖によって失われた再処理収益は既に5000万ポンドにも上ると見られています 。また、BNGによる不適切な対応や、遅れに遅れている再処理契約など、海外の顧客にとって腹立たしいことが重なっています。国内のAGR炉から運び込まれる使用済み燃料を 貯蔵するプール内のスペースも限られており、更なる遅れがそこへ与えるプレッシャーも大きくなりつつあります。30ヶ月間にわたって国内の使用済み燃料やその他の燃料 が再処理されず、通常国内の使用済み燃料を貯蔵するために確保されている「12か月分の余剰プール容量」も限界に近づき、発電所の運転に支障を与えかねない状況も考え られます。

NDAによるセラフィールドの操業計画(Lifetime Plan)によると、THORPは2011年に操業を終えることになっています。1994年に操業を開始して以来、THORPの年間平 均再処理量は550トンであり、計画通りに契約を終えようとすれば、現在、それまでにおよそ4000トンの使用済み燃料を再処理する契約が残っていることから、再開後 は年間再処理量1000トンという不可能な挑戦を強いられることになります。このような手の施しようの無い状況に、ノルウェーやアイルランド政府による要求を始め、国 内外からTHORPの即時永久閉鎖を求める声が多数あがっています。

2007年3月4日 COREブリーフィング資料(原文:英語)より抄訳

【カレンダー】

2007年

1月22日〜3月30日
国連軍縮会議第一回会合:ジュネーブ(スイス)ジュネーブUNOG
3月1日
米エネルギー省と米国防省が高信頼性代替兵器(Public Law 109-163)に関する報告を米国議会へ提出
3月5〜9日
国際原子力機関(IAEA)理事会:ウィーン(オーストリア)
3月22日〜25日
IPPNW「欧州と中東における核軍備:脅威から防止へのアクションへ」(スイス)(英文の案内)
4月9〜27日
国連軍縮委員会(年次総会):国連本部(ニューヨーク)
4月14〜20日
「世界核燃料サイクル会議」:ブダペスト(ハンガリー) 世界原子力協会(WNA) と米国原子力協会(NEI)主催
4月30日〜5月11日
核不拡散条約(NPT)2010年再検討会議第一回準備会合:ウィーン(オーストリア)NPT(UNDDA)
5月14〜15日
「核兵器の不拡散に関する国際セミナー」:ニューヨーク国際原子力機関(IAEA)
5月14日〜6月29日
国連軍縮会議第二回会合:ジュネーブ(スイス)ジュネーブUNOG
6月6〜8日
G8サミット:ハイリゲンダム(ドイツ)
6月9〜15日
国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)第50回会合:ウィーン(オーストリア)UNOOSA
6月19〜22日
包括的核実験禁止条約機関第28回準備委員会:ウィーン(オーストリア)
6月25〜26日
「国際不拡散会議」カーネギー平和財団:ワシントンDC
7月(日時未定)
国際原子力機関(IAEA)「核兵器の不法取引に関する国際会議」:場所未定
7月30日〜9月14日
国連軍縮会議第三回会合:ジュネーブ(スイス)
9月(日時未定)
包括的核実験禁止条約(CTBT)「発効へ向けた準備会議」:ウィーン(オーストリア)
10月(日時未定)
国連総会第一委員会会議:ニューヨーク国連本部
11月12〜15日
包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会第29回会合:ウィーン

参考:

【海外ニュースより】

《米国:新型核弾頭の設計が選ばれる》

現地時間2007年3月3日にワシントン・ポスト紙、ニューヨークタイムズ紙が報じたところによると、エネルギー省核安全保障局(以下、NNSA)は、新型核弾頭を生産する基礎となる設計を、ローレンス・リバモア国立研究所とサンディア国立研究所が提出した中から1つ選びました。これは、21世紀中旬まで一定の核抑止力を保持するために新世代の安全な核弾頭を準備することを目的にNNSAが進めている、高信頼性代替核弾頭(RRW:Reliable Replacement Warhead)計画の一環です。報道によると、今後10ヶ月で費用の見積もりと生産計画を作成する予定ですが、既に8800万ドルのRRW予算がNNSAの2008年度予算案に含まれているものの、米国議会によって予算が削減されれば、それに伴って計画が遅れる可能性もあります。

NNSAは、核兵器の指令、統制、安全、安全保障(Nuclear Weapons Command, Control, Safety, and Security)」と題された、国家安全保障大統領指令第28号からの引用「非合法的な兵器の利用を不可能にする」ことが、RRWの目的の一つであると言ってきました。ワシントンポストの記事は、「新たなRRWの設計には、兵器の核関連部品を固定し、敵の手に渡っても使用できなくする『統制利用』装置も含まれている」と結んでいる。

《軍縮》

前号でご紹介した、ジョージ・シュルツ、ウィリアム・ペリー、ヘンリー・キッシンジャー、サム・ナンの米国の著名な安全保障政策専門家4名による投稿記事、"A World Free of Nuclear Weapons"に応える形で、以下の2つの投稿記事が発表されました。記事の概要と原文をご紹介します。

"The Nuclear Threat" by Mikhail Gorbachev

冷戦時代最中の1980年代、当時のロナルド・レーガン米大統領と軍縮協議を重ね、1986年のレイキャビック合意に至った元ソ連大統領であるミヒャエル・ゴルバチョフ氏が、ウォールストリート・ジャーナル紙に「核の脅威(原題:The Nuclear Threat")」と題されたき時を投稿、今年1月31日に同紙に掲載された。

ゴルバチョフ氏は、前述の4名について「ユートピア的な考え方では知られていない、過去の政権の政策形成に関わったユニークな経験を持つ」超党派の影響力を持つアメリカ人である、と記事の冒頭で紹介している。これは正にその通りであり、このような投稿がされたこと自体、「終末時計」が真夜中へ向けて針を進めたことと同様、今の時代の核問題をめぐる状況の緊急性を物語っていると言えよう。

記事の前半は冷戦時代の軍縮交渉の概要をまとめているが、後半では近年の核問題をめぐる情勢について、ゴルバチョフ氏の分析が記されている。その始めに核拡散防止条約(NPT)が困難な局面を迎えていることを述べている。その例として、印パの核問題、北朝鮮の核開発計画、イラン問題などを克服しなければ、今後更に事態が悪化する「」に過ぎない、と指摘している。

政治的努力の必要性にも触れており、前述の1月4日付けの記事に書かれたとおり、「米国がイニシアティブを取り、積極的な役割を果たすべき」という意見に同意しながらも、全ての核兵器を保有する国々が関わるべきであり、多大な努力がロシアや欧州の指導者らによってなされるべきである、とも述べている。そして、NPTの枠組みにおいて、全ての核兵器国、非核兵器国が、「核兵器のない世界へ向けて動き出す」共通の考え方を作り出すことを目指し、話し合いを始めるべきである、とゴルバチョフ氏は呼びかけている。"The Nuclear Threat"(原文:英語)

"It's Time For a Plan to Abolish Nuclear Weapons" by David Krieger

NGO「核時代平和財団(Nuclear Age Peace Foundation)」のディビッド・クリーガー代表が、1月4日付けの投稿記事についての記事を書いています。

クリーガー氏は、前国連事務総長のコフィ・アナン氏が国連を去る前に述べた言葉を引用し、核軍縮と不拡散の必要性を強調し、また国家レベルのみならず、世界的な対話が必要と述べています。また私達(市民社会)は、この先10年間で透明性があり、検証可能で逆行できない(transparent, verifiable and irreversible)プロセスによって核軍縮が進められるよう、米国政府の指導者による行動計画の実現へ向けて積極的に働きかけるべきだと呼びかけています。結びにクリーガー氏が引用したアナン前国連事務総長の言葉は、「人類が離陸させてしまい、軌道を外れた飛行機の操縦を取り戻すため、また手遅れになる前に安全にそれを着陸させるため、我々に君達の力をかしてほしい」とプリンストン大学の若い学生らへの呼びかけでした。"It's Time For a Plan to Abolish Nuclear Weapons"(原文:英語)

《北朝鮮》


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