ウィーンで開催された第一回準備会合は5月11日、議長作業文書について合意できないまま閉会しました。議長作業文書は、会議の公式資料として提出されました。(外務省による要旨)
そして何より、今回の準備会合を強く押し進めたのは、間違いなくNGOや市民グループの力です。5月3日に各国大使が集まる会議場で発表されたNGO文書は、ここでご覧頂けます。
また、会期中にRCWはNews In Reviewと呼ばれる、日報と世界中の専門家や活動家が寄稿した記事を載せたニュースレターを発行しました。バックナンバー(英語)はここでご覧頂けます。
5月31日
この日午前の全体会議では、相変わらず議長国提案(P6)に関して遅々として進展の無い過程について、加盟国の間に焦燥感や悲観的な空気さえ漂っています。今年の議長国の一つであるスウェーデンのボニアー軍縮大使は、31日、会議の冒頭で率直な声明を読み上げ、2ヶ月が経過してもなお全く合意に至らない軍縮会議の現状に対し、改めて懸念を示しました。現状が続けば、ここ10年全くの膠着状態であったCDへと後戻りしかねません。
この日の声明でボニアー大使は、CDへ提案や結論を示す前に、可能な限りのあらゆる方策を検討するのに数日を要すると述べました。「任されるべき仕事の全体像が明らかでない為、通常通りであるかのように振る舞うことは不可能である」という理由から、議長は先週、課題別コーディネーターとなっている国の代表者らと議長との非公式会合を予定しませんでした。
CDに対する議長のメッセージは、「忍耐強く、フラストレーションをぐっとこらえて、そしてどうか、お互いの責任を問うたり、非難しあったり、反対工作を仕掛けたりしないで頂きたい。私たちは皆が同じ境遇にあり、そして現状から脱する唯一の道が存在するならば、共にその道を歩むべきである。どうか、今年の始めに見られたような、協力的かつ建設的な精神を取り戻すよう努力してほしい」という内容でした。また大使は議長国提案について、「単純かつ実務的な提案」であり、「CDが取り組むべき仕事をより的を絞り、整理する方法についての提案」だと説明しています。
そして、この日に唯一スピーチが予定されていたペルーのベレヴァン大使は、5月23〜25日にペルーのリマで開催されたクラスター爆弾についての会議について、その結果を報告しました。今回の会議は、クラスター爆弾の使用、生産、備蓄、そして転用について法に基づく取り決めに関する交渉を開始することを目的に開かれたものです。CDは今後、撤去作業や危険性についての教育、国際的な協力と支援、透明性、コンプライアンス、備蓄の破壊などについて、加盟各国の全会一致を基本として議論することにしています。
次回の本会議は6月5日の午前中に再開される予定です。
Reaching Critical Will(RCW) 軍縮会議レポートより一部抜粋し抄訳
RCWは、婦人国際平和自由連盟(WILPF)が設立した、軍縮を専門としたキャンペーン団体。国連本部のあるニューヨークとジュネーブに事務所を置き、最新情報をEメールやインターネットを活用して発信している。
前号でもお知らせした米印原子力協定に関するセミナーに加え、世界各国の反核平和団体が参加する「アボリション2000」の年次総会の場でも、米印原子力協定に対する国際的な運動の方向性について議論されました。会議へ参加した原子力資料情報室のフィリップ・ワイトさんが、上記のウェブサイトを開設しましたので、お知らせします。
また、原水禁や原子力資料情報室と共にセミナーを共催したIPFM(核分裂性物質に関する国際パネル)は、昨年9月に米印原子力協定に関する報告書を発表しました。英文の報告書はこちらで入手できます。
4月26日、原子力資料情報室と原水禁は、経産省と日本原子力研究開発機構に、米印原子力協力に関する両者の姿勢を質す公開質問状を送付しました。
U.S.-Indian Nuclear Deal: Round II By Daryl G. Kimball
本年5月号の「アームズ・コントロール」紙に、米印原子力協定の核不拡散へもたらす脅威について記事が載っています。筆者のダリル・キンボール事務局長は、NSGにおける議論の重要性について触れていますが、特に中国とフランスの代表が「インドのみを対象とした」ルールではなく、「基準に基づいた」貿易指針を策定すべきだと言っていることに触れ、そうなれば核拡散の危険性は更に増すと指摘しています。NSGは全会一致による決定を原則しているため、今後より米印原子力協定の概要が明らかになるにつれ、各国も対応を迫られるだろうと記事は述べています。
米国議会下院予算委員会エネルギー開発・水開発小委員会のヴィスクロスキー委員長は5月23日、2008年度予算案についての声明を発表しました。
委員会は今年3月に米国の安全保障政策の専門家4名を招き、RRW計画に関する証言を求めました。その証言の冒頭、ヴィスクロスキー委員長は、この問題の重要性について以下のように述べています。
「米国議会議員の一人として、戦争と平和、そして米国憲法が改正されるかもしれないという変化、この2点こそ最重要課題として考慮しなければなりません。戦争と平和の課題について言えば、核兵器の現実問題があるからこそ、戦争の問題にこの上ない真剣さを持って対処しなければならないのです。これは不都合な真実かもしれません。しかし、核兵器問題は議論されるべき公共政策の課題です。
米国は引き続き将来へ向けて、国家安全保障上の抑止力として安全で信頼性のある核兵器に依存し続けるでしょう。しかしながら、その目的のために必要とされる数より、一発でも多い核兵器が必要という意味ではありません。
今こそ、国家安全保障戦略と備蓄核兵器によって支えられている必要条件について、国全体でしっかりと見直すべき時なのです。そして、両者が我々の追求する世界の核抑止と不拡散を支えるかどうかを決めなければなりません。」(原文:米国議会下院予算委員会 エネルギー開発・水開発小委員会 (pdf))
5月23日の委員長声明によると、不必要な核兵器の削減については、現在の貯蔵されている核兵器や核兵器関連施設の小規模化と再編成に関する「包括的な核防衛戦略が必要である」としています。しかし、ブッシュ政権が2012年からの稼働開始を目指して予算請求をしているRRW(高信頼性代替核弾頭)計画については、前述の戦略についての進捗が見えない限り、新たな施設やRRWは無いと述べており、2008年度予算案からRRWに関する部分を削りました。
出典:原文(英語)
米国議会下院予算委員会 エネルギー開発・水開発小委員会
参考人:サム・ナン上院議員(核脅威イニシアチブ共同議長およびCEO)、ウィリアム・ペリー(元米国防省長官)、ジェームス・カートライト将軍(COMMANDER, U.S. STRATEGIC COMMAND)、リチャード・ガーウィン博士(トマス・ワトソン研究所IBM名誉研究員)
「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」は今年5月、NPT準備会合(ウィーン)開会中に開かれたセミナーの場で、正式な発足を発表しました。ICANよりキャンペーンへの参加について、原水禁を始め各国の活動家へメッセージが送られました。
「核兵器廃絶条約は未完成でほぼ実現しない、と私たちに言う政府もあります。でも、信じないで下さい。地雷禁止条約についても、同じ事が言われたのですから」
ジョディ・ウィリアムズ(ノーベル平和賞受賞者、地雷禁止国際キャンペーン)
皆さん、
ICANは、核兵器禁止条約の実現へ向け、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)が立ち上げた新たなキャンペーンです。核兵器は他の兵器とは全く異なります。何億人もの声明を数時間で奪い、人類の築いた文明に終焉をもたらしかねない核兵器の禁止へ向けて、世界各地で様々な組織や個人が続々と参加をしています。
是非、ICANについてのビデオ(オンライン)をご覧頂き、広くお知らせ下さい。
ICANはまた毎年、核兵器脅威国の国連代表部へ署名を提出する予定です。以下のサイトから署名して頂けますので、こちらも広くお知らせ頂ければ幸いです。(英語による署名)
9ヶ国が保有している2万7千発の核兵器は、違法であり、道徳に反し、そして虐殺的な兵器です。これらは私たちの都市や健康、貯水池や食物連鎖を破壊しかねなく、また人類の安全保障を確保する上で必要になる、膨大な予算などを常に横取りしています。核兵器には正当な目的はありません。核兵器を保有し、使用を示唆して他を脅かす事は道徳に反します。核兵器こそが、究極のテロ兵器なのです。今こそ、全ての核兵器を禁止し、そして撤廃する時です。
ICAN参考サイト(全て英文)
国際平和ビューロー(IPB:International Peace Bureau)の今年度総会は、11月にエジプトで開催される予定です。主に11〜12日にIPBが主催するセミナー、13日に年次総会が予定されています。(チラシ(英文、pdf)、紹介英文)
IPBはスイスのジュネーブを拠点とし、軍備や軍事予算、基地など幅広い問題に取り組み、国連軍縮会議など国際的な交渉の場における活動を展開しています。また、世界中の著名な平和団体や個人によって構成される国際平和団体であり、原水禁もその評議メンバーとして、長年参加を続けてきました。2007年の主な取り組みとしては、軍事予算の削減のみならず、これらの予算を社会や経済の発展を促し、紛争解決へつながる使い途へと変える事を目指す「開発へ向けての軍縮キャンペーン」や、核兵器禁止条約へのキャンペーンが呼びかけられています。
参考:FCNL核問題カレンダー